防水工事の平米単価は、工法によって4,000円から8,000円の間に収まります。工法による差は、思われているほど大きくありません。
金額を動かすのは工法ではなく、既存の防水をどうするかと下地の状態です。
だから単価に面積を掛けても、見積もりの総額にはなりません。
なお費用に公的な統計はありません。以下は複数の防水工事業者・比較サイトが公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。
工法別の単価
| 工法 | ㎡単価の目安 | よく使われる場所 |
|---|---|---|
| ウレタン防水 | 5,000〜8,000円/㎡ | 戸建てのベランダ、形の複雑な場所 |
| FRP防水 | 5,000〜7,500円/㎡ | 戸建てのベランダ・バルコニー |
| シート防水 | 4,000〜7,500円/㎡ | ビル・マンションの屋上 |
| アスファルト防水 | 5,500〜8,000円/㎡ | 面積の大きい屋上 |
上限と下限が重なっていることに気づいてください。 どの工法を選んでも、単価の幅の中に収まります。
工法の違いは金額より、その場所に合うかどうかで決まります。詳しくは防水工法の選び方にまとめています。
面積別の総額
| 対象 | 面積 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| ベランダ・バルコニー | 5〜10㎡ | 10万〜30万円 |
| 屋上 | 100㎡ | 100万〜200万円 |
ここで単価と突き合わせてみてください。100㎡に5,000〜8,000円を掛けると50万〜80万円です。総額の目安は100万〜200万円ですから、合いません。
差はどこから出るか
単価に含まれていない費用があります。
- 既存の防水の撤去と処分
- 下地の補修(ひび割れ、浮き、劣化した部分)
- 立上りの処理(壁の付け根の立ち上がった部分)
- ドレン(排水口)まわりの手当て
- 笠木やパラペットの処理
- 諸経費
とくに立上りは見落とされます。床の面積だけを数えて計算すると、実際に施工する面積より小さくなります。
下地の状態によっては、補修の費用が防水そのものより大きくなることもあります。 現地を見ないと出せないのはこのためです。
かぶせるか、撤去するか
既存の防水がある場合、進め方が2つあります。
| 方法 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| かぶせ工法 | 既存の防水を残し、その上に新しい層を作る | 撤去と処分の費用がかからない |
| 撤去して新設 | 既存の防水を剥がし、下地から作り直す | 撤去・処分・下地補修が加わる |
かぶせられるかどうかは、既存の防水の状態で決まります。下地に水が回っていると、かぶせても内側の水が抜けません。
見積もりを取るときは、どちらの方法かを必ず確認してください。同じ面積でも金額が変わる最大の要因です。
国土交通省のガイドラインでも、屋上防水は「補修、修繕」と「撤去・新設」が別の工事区分として扱われ、周期が分けられています(国土交通省)。詳しくは防水のやり替え時期にまとめています。
見積書で分ける項目
「防水工事一式」では比べられません。次の項目に分けて出してもらいます。
- 既存防水の撤去と処分(かぶせる場合は不要)
- 下地の補修
- 立上りの施工(床とは別に面積を出す)
- ドレンまわりの処理
- 防水の材料と施工(工法名と製品名)
- トップコート(保護塗料)
- 足場(必要な場合)
- 諸経費
面積の内訳が書かれているかを見てください。床が何平米、立上りが何平米と分かれていれば、金額の根拠が追えます。
工法名だけでなく、使う製品のメーカーと商品名も書いてもらってください。同じ「ウレタン防水」でも製品によって性能と価格が違います。
足場が要るかどうか
ベランダの防水では、足場が不要なことがあります。室内から出入りできる場所なら、材料の搬入も手作業で済みます。
一方、屋上や2階以上のバルコニーで外部から作業する場合は足場が要ります。足場は面積に比例するため、防水の面積が小さくても金額が乗ります。
外壁塗装を検討しているなら、同じ時期にまとめると足場代がもう1回分かかりません。 費用の目安は外壁塗装の費用相場にまとめています。
見積もりを取る前に測る
現地調査の前に、おおよその面積を把握しておくと話が早くなります。
- ベランダ・屋上の床の縦と横(おおよそで足ります)
- 立上りの高さ(床から壁を立ち上がっている部分)
- 排水口の数
- 現在の防水の種類(分かれば)
- 水がたまる場所、ひび割れ、ふくれの有無
水がたまる場所は写真に撮っておいてください。雨のあとに残る水の位置は、下地の傾きや排水の状態を示します。
劣化のサインの見方は防水のやり替え時期にまとめています。
屋上・陸屋根の場合は、ドレンや勾配、保護層の有無で金額が変わります。詳しくは陸屋根・屋上の防水にまとめています。戸建てのベランダはベランダ防水の費用を見てください。
よくある質問
単価に面積を掛けた金額と、見積もりが合いません。
防水の材料と施工以外の費用が乗るためです。既存の防水の撤去、下地の補修、立上りの処理、ドレン(排水口)まわりの手当て、廃材の処分、諸経費が加わります。単価はあくまで塗る部分の目安と考えてください。
いちばん安い工法はどれですか?
平米単価だけならシート防水が4,000円からと低めですが、下地の状態と場所によって使える工法が変わります。形の複雑なベランダにシートは向きません。単価で選ぶより、その場所に合う工法を業者に提案してもらってください。
部分的に直すことはできますか?
劣化が一部にとどまっていれば、部分補修で済むことがあります。ただし足場が必要な場所では、足場代が全面と部分でほとんど変わりません。何年後に全面をやり替えるつもりかを決めてから、部分か全面かを判断してください。
何年もちますか?
工法と場所によりますが、業者が示す耐用年数は10年から20年の幅で説明されることが多くあります。国土交通省のガイドラインでは、補修・修繕が12〜15年、撤去して作り直すのが24〜30年という2段の周期が示されています。数字の意味が違うので、両方を見てください。
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