防水工事の費用相場|工法別の単価と総額が合わない理由

カテゴリ: 費用と相場

本ページはプロモーション(広告)を含みます。

目次
  1. 工法別の単価
  2. 面積別の総額
  3. 差はどこから出るか
  4. かぶせるか、撤去するか
  5. 見積書で分ける項目
  6. 足場が要るかどうか
  7. 見積もりを取る前に測る

防水工事の平米単価は、工法によって4,000円から8,000円の間に収まります。工法による差は、思われているほど大きくありません。

金額を動かすのは工法ではなく、既存の防水をどうするか下地の状態です。

だから単価に面積を掛けても、見積もりの総額にはなりません。

なお費用に公的な統計はありません。以下は複数の防水工事業者・比較サイトが公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。

工法別の単価

工法 ㎡単価の目安 よく使われる場所
ウレタン防水 5,000〜8,000円/㎡ 戸建てのベランダ、形の複雑な場所
FRP防水 5,000〜7,500円/㎡ 戸建てのベランダ・バルコニー
シート防水 4,000〜7,500円/㎡ ビル・マンションの屋上
アスファルト防水 5,500〜8,000円/㎡ 面積の大きい屋上

上限と下限が重なっていることに気づいてください。 どの工法を選んでも、単価の幅の中に収まります。

工法の違いは金額より、その場所に合うかどうかで決まります。詳しくは防水工法の選び方にまとめています。

面積別の総額

対象 面積 総額の目安
ベランダ・バルコニー 5〜10㎡ 10万〜30万円
屋上 100㎡ 100万〜200万円

ここで単価と突き合わせてみてください。100㎡に5,000〜8,000円を掛けると50万〜80万円です。総額の目安は100万〜200万円ですから、合いません。

差はどこから出るか

単価に含まれていない費用があります。

  • 既存の防水の撤去と処分
  • 下地の補修(ひび割れ、浮き、劣化した部分)
  • 立上りの処理(壁の付け根の立ち上がった部分)
  • ドレン(排水口)まわりの手当て
  • 笠木やパラペットの処理
  • 諸経費

とくに立上りは見落とされます。床の面積だけを数えて計算すると、実際に施工する面積より小さくなります。

下地の状態によっては、補修の費用が防水そのものより大きくなることもあります。 現地を見ないと出せないのはこのためです。

現地を見たうえで複数社の見積もりを取る

かぶせるか、撤去するか

既存の防水がある場合、進め方が2つあります。

方法 内容 金額
かぶせ工法 既存の防水を残し、その上に新しい層を作る 撤去と処分の費用がかからない
撤去して新設 既存の防水を剥がし、下地から作り直す 撤去・処分・下地補修が加わる

かぶせられるかどうかは、既存の防水の状態で決まります。下地に水が回っていると、かぶせても内側の水が抜けません。

見積もりを取るときは、どちらの方法かを必ず確認してください。同じ面積でも金額が変わる最大の要因です。

国土交通省のガイドラインでも、屋上防水は「補修、修繕」と「撤去・新設」が別の工事区分として扱われ、周期が分けられています(国土交通省)。詳しくは防水のやり替え時期にまとめています。

見積書で分ける項目

「防水工事一式」では比べられません。次の項目に分けて出してもらいます。

  1. 既存防水の撤去と処分(かぶせる場合は不要)
  2. 下地の補修
  3. 立上りの施工(床とは別に面積を出す)
  4. ドレンまわりの処理
  5. 防水の材料と施工(工法名と製品名)
  6. トップコート(保護塗料)
  7. 足場(必要な場合)
  8. 諸経費

面積の内訳が書かれているかを見てください。床が何平米、立上りが何平米と分かれていれば、金額の根拠が追えます。

工法名だけでなく、使う製品のメーカーと商品名も書いてもらってください。同じ「ウレタン防水」でも製品によって性能と価格が違います。

足場が要るかどうか

ベランダの防水では、足場が不要なことがあります。室内から出入りできる場所なら、材料の搬入も手作業で済みます。

一方、屋上や2階以上のバルコニーで外部から作業する場合は足場が要ります。足場は面積に比例するため、防水の面積が小さくても金額が乗ります。

外壁塗装を検討しているなら、同じ時期にまとめると足場代がもう1回分かかりません。 費用の目安は外壁塗装の費用相場にまとめています。

見積もりを取る前に測る

現地調査の前に、おおよその面積を把握しておくと話が早くなります。

  • ベランダ・屋上の床の縦と横(おおよそで足ります)
  • 立上りの高さ(床から壁を立ち上がっている部分)
  • 排水口の数
  • 現在の防水の種類(分かれば)
  • 水がたまる場所、ひび割れ、ふくれの有無

水がたまる場所は写真に撮っておいてください。雨のあとに残る水の位置は、下地の傾きや排水の状態を示します。

劣化のサインの見方は防水のやり替え時期にまとめています。

屋上・陸屋根の場合は、ドレンや勾配、保護層の有無で金額が変わります。詳しくは陸屋根・屋上の防水にまとめています。戸建てのベランダはベランダ防水の費用を見てください。

よくある質問

単価に面積を掛けた金額と、見積もりが合いません。

防水の材料と施工以外の費用が乗るためです。既存の防水の撤去、下地の補修、立上りの処理、ドレン(排水口)まわりの手当て、廃材の処分、諸経費が加わります。単価はあくまで塗る部分の目安と考えてください。

いちばん安い工法はどれですか?

平米単価だけならシート防水が4,000円からと低めですが、下地の状態と場所によって使える工法が変わります。形の複雑なベランダにシートは向きません。単価で選ぶより、その場所に合う工法を業者に提案してもらってください。

部分的に直すことはできますか?

劣化が一部にとどまっていれば、部分補修で済むことがあります。ただし足場が必要な場所では、足場代が全面と部分でほとんど変わりません。何年後に全面をやり替えるつもりかを決めてから、部分か全面かを判断してください。

何年もちますか?

工法と場所によりますが、業者が示す耐用年数は10年から20年の幅で説明されることが多くあります。国土交通省のガイドラインでは、補修・修繕が12〜15年、撤去して作り直すのが24〜30年という2段の周期が示されています。数字の意味が違うので、両方を見てください。

  • 大規模修繕と防水|戸あたりの中央値と平均が離れる理由

    マンションの大規模修繕における防水工事を、国土交通省の実態調査から整理しました。建築系工事の約3分の1が防水であること、戸あたり工事金額の中央値と平均が離れている理由、共通仮設費が含まれていない点、管理組合が見積もりを比べるときの見方を説明します。

  • 陸屋根・屋上の防水|100㎡の目安とドレンまわりの見方

    陸屋根と屋上の防水工事にかかる費用を、面積別の目安と工法別の単価で示しました。単価に面積を掛けても総額にならない理由、水がたまる原因になる勾配とドレン、パラペットと笠木の扱い、保護層があるとかぶせられないことがある点を説明します。

  • ベランダ防水の費用|5〜10㎡の目安と足場が要らない条件

    戸建てのベランダ・バルコニーの防水工事にかかる費用を、面積別の目安と工法別の単価で示しました。室内から出入りできる場所なら足場が要らないこと、立上りの面積が計算に入ること、部分補修とトップコートの塗り替えの違いを説明します。

見積もりを見比べてから決められます

防水工事の見積もりを比べる