外壁塗装の費用は、塗料のグレードと足場の2つでほぼ決まります。
塗料の平米単価は900円から7,800円まで開きます。足場は塗料と関係なく、一式で20万円前後かかります。
30坪の家で、総額60万〜110万円が目安です。
なお費用に公的な統計はありません。以下は複数の塗装業者・比較サイトが公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。
総額の目安
| 内容 | 目安 |
|---|---|
| 30坪の外壁塗装 | 60万〜110万円 |
| 外壁+屋根塗装 | 80万〜125万円 |
幅が広いのは、塗料のグレードと建物の状態で変わるためです。下地の傷みが進んでいると、補修の費用が加わります。
塗料のグレード
金額を最も動かすのがここです。
| 塗料 | 耐用年数の目安 | ㎡単価の目安 |
|---|---|---|
| アクリル | 4〜5年 | 900〜1,200円 |
| ウレタン | 6〜8年 | 1,500〜1,800円 |
| シリコン | 8〜15年 | 2,500〜4,000円 |
| ラジカル制御型 | 8〜15年 | 2,500〜4,500円 |
| フッ素 | 15〜20年 | 3,500〜5,800円 |
| 光触媒 | 16〜20年 | 3,500〜7,500円 |
| 無機 | 16〜20年以上 | 4,000〜7,800円 |
住宅でよく使われるのはシリコンとラジカル制御型です。単価と耐用年数のつり合いが取りやすい位置にあります。
耐用年数は出所で割れる
上の表でシリコンの耐用年数を8〜15年と幅で書いたのには理由があります。
出所によって、シリコンを8〜10年とする資料と、12〜15年とする資料があります。同じグレードでも数字が一致しません。
そのうえ、実際にどれくらいもつかは日当たり、風雨の当たり方、下地の状態でも変わります。 つまり「10年もちます」という説明は、そのままでは確かめようがありません。
確かめられるのは次の2つです。
- 塗料メーカーが定めている保証年数(製品のカタログに書かれている)
- 施工店が出す保証の内容と年数(保証書の記載)
口頭の年数ではなく、この2つを書面で確認してください。 何年もつかを議論するより、保証がどこまで及ぶかを見るほうが判断できます。
足場は別の費目
足場は塗料と関係なくかかります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 設置面積あたり | 700〜1,000円/㎡ |
| 一式 | 20万円前後 |
高い塗料を選んでも安い塗料を選んでも、足場代は同じです。総額に占める割合が大きいため、見積書では独立した項目として出してもらってください。
そして屋根と外壁を同時に行えば、足場代がもう1回分かかりません。外壁だけ塗って数年後に屋根を塗ると、足場を2回組むことになります。
数年以内に屋根も塗る予定があるなら、まとめた場合と2回に分けた場合の合計を比べてください。
見積書で分ける項目
「一式」のままでは、業者ごとの差が見えません。次の項目に分けて出してもらいます。
- 足場の設置と解体
- 飛散防止のネット
- 高圧洗浄
- 下地の補修(ひび割れ、シーリングの打ち替え)
- 養生
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
- 付帯部の塗装(雨樋、破風、軒天)
- 廃材の処分
- 諸経費
塗る回数(下塗り・中塗り・上塗り)が書かれているかを見てください。 3回塗りが基本ですが、回数が明示されていない見積もりがあります。
塗る面積も確認してください。坪数ではなく、実際に塗る外壁の平米数で計算されているのが本来の形です。
高い見積もりと安い見積もり
同じ家でも金額が違うのは、次のいずれかが理由です。
| 差の理由 | 見分け方 |
|---|---|
| 塗料のグレードが違う | 製品名とメーカーが書かれているか |
| 塗る回数が違う | 下塗り・中塗り・上塗りの記載があるか |
| 下地補修の範囲が違う | シーリングが打ち替えか、増し打ちか |
| 付帯部が含まれるか | 雨樋・破風・軒天が項目にあるか |
| 足場の扱いが違う | 別項目か、一式に含まれているか |
安い見積もりは、どれかが抜けていることがあります。 金額を比べる前に、含まれている範囲を揃えてください。
訪問販売で契約しない
外壁と屋根の工事では、突然訪問してきた業者との契約でトラブルが起きています。
屋根工事の点検商法に関する相談は、2018年度の923件から2022年度には2,885件へ、約3倍に増えています(国民生活センター)。
見積もりを取るときは、自分から複数社に声をかけてください。手口と断り方は屋根と外壁の点検商法にまとめています。
よくある質問
いちばん安く済ませるにはどの塗料ですか?
初期費用だけならアクリルが最も安く、平米単価900〜1,200円が目安です。ただし耐用年数が4〜5年と短いため、塗り替えの回数が増えます。何年その家に住むかで、どこまでの耐久性が要るかが決まります。
屋根も一緒に塗ったほうがよいですか?
同じ時期に塗る予定があるなら、まとめたほうが足場代がもう1回分かかりません。外壁だけ塗って数年後に屋根を塗ると、足場を2回組むことになります。総額は上がりますが、2回に分けた場合の合計とは比べてみてください。
見積書の「一式」はどこまで含まれていますか?
業者によって範囲が違うため、そのままでは比べられません。足場、高圧洗浄、下地の補修、養生、塗装(下塗り・中塗り・上塗り)、廃材処分を項目に分けて出してもらってください。同じ項目で並べると、どこに差があるかが見えます。
「10年もちます」と言われました。
耐用年数は出所によって差があります。同じシリコン塗料でも8〜10年とする資料と12〜15年とする資料があり、立地や下地の状態でも変わります。口頭の年数ではなく、塗料メーカーの保証年数と施工店の保証内容を書面で確認してください。
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