外壁塗装の見積書を比べるとき、最初に見るのは金額ではなく塗装面積です。
面積の前提が違えば、単価が同じでも総額は変わります。逆に面積を揃えれば、どこで差が出ているかが見えます。
そして概算なら自分で出せます。延べ床面積に1.2を掛けるだけです。
自分で概算を出す
計算式です。
塗装面積 = 延べ床面積 × 係数(1.1〜1.4)
係数は1.1から1.4の幅で使われますが、一般には1.2で足りるとされています。
延べ床面積が115.9平米なら、1.2を掛けて約139平米です。これが塗装面積の目安になります。
延べ床面積は、固定資産税の納税通知書、建築確認申請の書類、登記事項証明書に載っています。 家の売買時の資料にも記載があります。
係数の選び方
延べ床面積が大きいほど、小さい係数のほうが実測値に近づきます。
| 建物 | 使いやすい係数 |
|---|---|
| 小さめ、凹凸が多い | 1.3〜1.4 |
| 一般的な戸建て | 1.2 |
| 大きめ、四角い形 | 1.1〜1.2 |
理由は、係数が「窓などの塗らない部分」と「建物の形」の両方をまとめて吸収しているためです。総二階の四角い家と、下屋やベランダの張り出しが多い家では、外壁の面積が違います。
あくまで概算です。 見積書の面積と数万平米単位でずれていなければ、前提としては合っています。
実測はどう出すか
業者が現地で測る場合の計算です。
塗装面積 = 建物の外周 × 高さ − 開口部の面積
開口部は窓とドアです。塗らない部分なので、本来は引きます。
ただし窓の周囲は養生や刷毛の作業が増えるため、小さい窓は引かない扱いにする業者もあります。どちらが正しいというより、前提が複数社で揃っているかが問題です。
坪数×単価は根拠が弱い
見積書が「30坪 × ◯円」で出されていたら、実測していない可能性があります。
坪数は床の広さで、外壁の面積ではありません。同じ30坪でも、総二階と平屋では外壁の面積が倍近く違います。
見積書には平米数を書いてもらってください。 出せない業者は、現地を見ずに概算しているだけかもしれません。
同じ理由で、金額を比べる前に平米数を揃えてください。単価が安くても面積を多く見積もっていれば、総額は変わりません。
見積書で確認する4項目
面積まわりで見るところです。
- 外壁の塗装面積(平米)
- 屋根の塗装面積(平米・屋根も塗る場合)
- 付帯部の数量(雨樋の長さ、破風の長さ、軒天の面積)
- 足場の設置面積(平米)
付帯部は忘れられやすい項目です。雨樋、破風、軒天、水切りは外壁とは別に数えます。
足場の設置面積は、外壁の塗装面積とは別の数字です。建物の周囲に組むため、外壁より広くなります。
足場代の見方は「足場代無料」の仕組みにまとめています。
面積を揃えてから金額を見る
複数社の見積もりが出そろったら、この順で見てください。
- 塗装面積が揃っているか(大きく違えば理由を聞く)
- 塗料の製品名とメーカーが同じか
- 塗る回数が同じか(下塗り・中塗り・上塗り)
- 付帯部が含まれているか
- そのうえで総額を比べる
面積が違う見積もりを金額で並べないでください。 安いほうが面積を小さく見積もっているだけ、ということがあります。
塗料のグレードごとの単価は外壁塗装の費用相場にまとめています。
現地調査に立ち会う
面積の前提が合っているかは、現地調査で確かめられます。
- どこを測っているかを見る
- 開口部を引くかどうかを聞く
- 付帯部をどこまで数えるかを聞く
- 足場をどう組むかを聞く
立ち会えば、その業者が実測しているかどうかも分かります。 外から見ただけで金額を出す相手は、比較の対象から外して差し支えありません。
現地調査を申し出ずに契約を求めてくる場合は、そこで止めてください。突然訪問してきた業者の手口は屋根と外壁の点検商法にまとめています。
よくある質問
延べ床面積はどこで分かりますか?
固定資産税の納税通知書、建築確認申請の書類、登記事項証明書に記載されています。家の売買時の資料にも載っています。見当たらない場合は、各階の床面積を測って足しても概算は出せます。
自分で計算した面積と見積書が違います。
係数による計算はあくまで概算です。建物の形が複雑だったり、凹凸が多かったりすると実測との差が出ます。違いが大きいと感じたら、どう計算したかを業者に聞いてください。
窓の分は引いてもらえますか?
実測で出す場合は開口部を引くのが本来の形です。ただし窓の周囲は手間がかかるため、小さい窓は引かない扱いにする業者もあります。引くか引かないかより、その前提が複数社で揃っているかを確認してください。
見積書に平米数が書かれていません。
書いてもらってください。平米数がないと、単価が妥当かどうかも、他社と比べることもできません。出せない業者は、実測せずに坪数から概算しているだけの可能性があります。
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