見積書に「シーリング」と「コーキング」が別々に出てきたら、まず確認してください。同じものです。
材料も工法も同じで、建築業界ではシーリング、リフォームや塗装の業界ではコーキングと呼ぶ傾向があるだけです。呼び方が違う2つの工事が入っているわけではありません。
そのうえで金額を分けるのが、打ち替えか増し打ちかです。
なお費用に公的な統計はありません。以下は複数の塗装業者・比較サイトが公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。
2つの工法
| 工法 | 内容 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| 打ち替え | 既存を撤去して、新しく打ち直す | 29万〜39万円 |
| 増し打ち | 既存を残し、上から重ねて打つ | 25万〜33万円 |
総額の差は数万円ですが、これは撤去の手間の分です。
打ち替えのメートル単価を分けると、内訳が見えます。
| 作業 | m単価の目安 |
|---|---|
| 既存シーリング材の撤去と処分 | 200〜400円/m |
| 養生・プライマー・新規充填 | 400〜800円/m |
| 合計 | 600〜1,200円/m |
増し打ちには上の1行目がありません。 その分だけ安くなります。
どちらを選ぶか
劣化の進み具合で決まります。
| 状態 | 向いている工法 |
|---|---|
| 切れている、隙間ができている | 打ち替え |
| 痩せて幅が細くなっている | 打ち替え |
| 硬くなって弾力がない | 打ち替え |
| 表面の劣化にとどまる | 増し打ちで足りる |
| サッシまわり | 増し打ちで対応することがある |
既存が切れている状態で上から重ねても、下の層から水が入ります。 見た目は直りますが、止水にはなりません。
サッシまわりが例外なのは、撤去のときに内側の防水紙を傷つけるおそれがあるためです。窓の構造によって扱いが変わるので、現地で判断してもらってください。
打ち替えの手順
何にお金がかかっているかが分かります。
- カッターで既存のシーリングに切れ目を入れる
- 撤去して、目地の中を掃除する
- 周囲にマスキングテープで養生する
- 目地の内側にプライマー(接着剤)を塗る
- 新しいシーリング材を充填する
- ヘラでならす
- 養生を剥がす
手作業が多く、機械で早くできる工程がありません。 メートル単価が人の時間で決まるのはこのためです。
プライマーが省かれると、数年で剥がれます。見積書に材料が書かれているかを見てください。
塗装との順番
シーリングと外壁塗装を同時に行う場合、順番が2つあります。
| 順番 | 呼び方 | 特徴 |
|---|---|---|
| シーリングを打ってから塗装 | 先打ち | 塗膜がシーリングを覆う。紫外線から守られる |
| 塗装してからシーリング | 後打ち | シーリングが表に出る。打ち替えが後日でもできる |
どちらにも理由があります。使うシーリング材の種類によって、塗料が乗るものと乗らないものがあるためです。
見積書でどちらの順番かを確認してください。 塗料と相性の悪いシーリング材を先打ちすると、塗膜が縮んだり変色したりすることがあります。
打ち替えの時期
国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」では、シーリングの打ち替えの周期を12〜15年としています(国土交通省)。
外壁塗装の塗り替えと同じ周期です。同時に行えば足場が1回で済みます。
ただしこの周期はマンションの長期修繕計画を対象にしたものです。戸建ての基準ではないため、実際の時期は状態で判断してください。塗り替えの時期の目安は外壁塗装の塗り替え時期にまとめています。
自分で見られるサイン
外壁の目地とサッシまわりを見てください。
- 真ん中が縦に切れている
- 壁との間に隙間ができている
- 幅が細くなっている(痩せ)
- 触っても弾力がない、硬い
- 表面にひび割れが入っている
- 剥がれて浮いている
切れているか、隙間があるかが最初の目安です。 ここまで進んでいれば、打ち替えの検討時期に入っています。
手が届く高さの目地だけでも見ておくと、業者の説明と突き合わせられます。屋根やベランダに登る必要はありません。
見積書で確認すること
シーリングは「一式」で書かれやすい項目です。次を出してもらってください。
- 打ち替えか増し打ちか
- 何メートル分で計算しているか
- 使うシーリング材のメーカーと製品名
- 撤去処分費が含まれているか(打ち替えの場合)
- サッシまわりの扱い
- 塗装との順番(先打ちか後打ちか)
2番と3番を揃えると、複数社を横に並べて比べられます。
外壁塗装全体の見積書の見方は外壁塗装の費用相場、面積の数え方は外壁塗装の面積の数え方にまとめています。
よくある質問
シーリングとコーキングはどう違いますか?
同じ材料、同じ工法です。建築業界ではシーリング、リフォームや塗装の業界ではコーキングと呼ぶ傾向があります。見積書で用語が違っていても、別の工事が入っているわけではありません。
打ち替えと増し打ち、どちらを選べばよいですか?
劣化が進んでいれば打ち替えです。既存が切れている、痩せている、隙間ができている状態で上から重ねても、下の層から水が入ります。まだ弾力が残っていて部分的な劣化にとどまる場合は増し打ちで足ります。
見積書に「シーリング一式」と書かれています。
どちらの工法かを聞いてください。打ち替えと増し打ちでは撤去の手間が違い、金額も変わります。あわせて何メートル分で計算しているか、使う製品の名前も出してもらってください。
サッシまわりも打ち替えできますか?
できますが、増し打ちで対応することがあります。サッシまわりは撤去のときに防水紙を傷つけるおそれがあるためです。窓の構造によって扱いが変わるので、現地で判断してもらってください。
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