解体業者の選び方|許可の調べ方と、契約前に確認する5つの書類

カテゴリ: 見積書と業者選び

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目次
  1. 契約前に確認する5つ
  2. 1. 許可・登録は、金額のラインで種類が変わる
  3. 「とび・土工工事業の許可」だけでは足りない
  4. 許可は自分で調べられる
  5. 2. 見積書は「一式」で判断しない
  6. 3. マニフェストを出せるかを聞く
  7. 4. 損害賠償保険の加入を確認する
  8. 5. 契約書に書かれているかを見る4項目
  9. 訪問営業で契約を勧められたとき
  10. 同じ条件で複数社に出す
  11. 契約したあとに起きること

解体業者を選ぶとき、最初に見るのは金額ではありません。その業者が、その規模の工事を請け負える許可を持っているかです。

これは社名が分かれば3分ほどで確認できます。金額の比較は、この確認を通った業者だけで行えば十分です。

この記事では、契約前に確認する5つの書類と、それぞれのどこを見るかを順に説明します。

契約前に確認する5つ

確認するもの 見るポイント 出せない場合
建設業許可 または 解体工事業登録 工事金額に見合った種別か。番号を言えるか 500万円以上を請け負えない可能性がある
内訳のある見積書 「一式」ではなく数量と単価が書かれているか 比較も検算もできない
マニフェスト(産業廃棄物管理票) 工事後に写しを出せるか 廃材の行き先を追えない
損害賠償保険の加入証明 隣家の破損・事故に備えがあるか 事故時の負担が読めない
工事請負契約書 工期・支払条件・追加費用の扱いが書かれているか 追加請求の根拠を争えない

以下、それぞれを詳しく見ていきます。

1. 許可・登録は、金額のラインで種類が変わる

解体工事に必要な資格は、請負金額で分かれます。

請負金額(税込) 必要なもの
500万円以上 建設業許可(解体工事業・土木工事業・建築工事業のいずれか)
500万円未満 解体工事業登録(建設リサイクル法第21条・都道府県知事の登録)

木造30坪の解体は90万〜150万円が目安なので、多くの住宅解体は500万円未満に収まり、解体工事業登録があれば請け負えます。付帯工事を含めて500万円を超えるなら、建設業許可が必要です。

「とび・土工工事業の許可」だけでは足りない

建設業許可の業種として「解体工事業」が新設されたのは2016年6月1日です。

それ以前は「とび・土工工事業」の許可で解体工事を請け負っていました。この経過措置は2019年5月31日で終了しています。

つまり、いま「とび・土工の許可があるから大丈夫」という説明を受けた場合、500万円以上の解体では要件を満たしていません。ここは読者側で判別できる、はっきりした線です。

許可は自分で調べられる

建設業許可は、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで誰でも検索できます。

商号で検索すると、許可番号、代表者名、所在地、許可を受けている業種、許可の有効期間が表示されます。ここで「解体工事業」の許可があるかを見てください。

  • 新規の許可や変更は反映まで1か月ほどかかるため、載っていない=無許可とは限りません
  • 500万円未満の工事を請け負う解体工事業登録は、このシステムではなく都道府県の名簿で確認します

会社名で見つからないときは、許可番号を業者に直接聞いてください。答えられない、あとで連絡するとしたまま返答がない場合は、その時点で候補から外して問題ありません。

2. 見積書は「一式」で判断しない

「解体工事一式 120万円」とだけ書かれた見積書は、他社と比べることも、あとで検算することもできません。

見るべきは、次の項目に数量と単価が入っているかです。

  • 廃棄物処分費(種類別の数量と単価)
  • 仮設工事(足場・防音シート・仮囲い)
  • 付帯工事(ブロック塀・庭木・物置・カーポート・浄化槽)
  • 整地(どの状態まで戻すか)
  • 諸経費(届出・重機回送・近隣挨拶)

解体費用の4〜5割は廃棄物の処分費です。ここが「一式」で書かれていると、総額の半分の根拠が不明なまま契約することになります。

内訳の提示を求めて渋られた場合、その理由を聞いてください。現地を見ないまま概算で出している段階なら当然のことなので、現地調査のあとに内訳を出してもらうと話を進めれば足ります。

→ 費目ごとの相場と金額が上下する条件は解体費用の相場の記事にまとめています。

内訳の出る見積もりを複数社に依頼する

3. マニフェストを出せるかを聞く

解体で出た廃材は産業廃棄物として処理され、その流れを記録するのがマニフェスト(産業廃棄物管理票)です。

廃棄物処理法により、交付義務を負うのは元請業者です(東京都環境局)。施主が交付するものではありません。

そのうえで、施主が確認できることがあります。

  • 契約前に「工事後にマニフェストの写しをもらえますか」と聞く
  • 工事後に受け取り、廃材の種類・数量・運搬先・処分先が記載されているかを見る

これを聞く理由は、不法投棄を避けるためです。処分費は解体費用の最大の費目なので、正規に処分しなければその分だけ安く見せられます。極端に安い見積もりが出てきたときは、処分の内訳とマニフェストの扱いを確認してください。

4. 損害賠償保険の加入を確認する

解体工事では、隣家の外壁や塀を傷つける、飛散した粉じんで車を汚す、といった事故が起こり得ます。

請負業者向けの賠償責任保険に入っているかを聞き、加入証明を見せてもらってください。金額の安さと引き換えに、事故時の負担が施主に回ってくる状況は避けたいところです。

5. 契約書に書かれているかを見る4項目

口頭の合意は、あとで食い違います。工事請負契約書に次の4つが書かれているかを確認してください。

  1. 工期 — 着工日と完了日。天候による延長の扱い
  2. 支払条件 — いつ、いくらを、何回に分けて払うか
  3. 追加費用の取り決め — 地中障害物や石綿が出た場合の単価と、着手前に合意を取る手順
  4. 建物滅失登記に必要な書類 — 取り壊し証明書を発行してもらえるか

特に3つ目は、解体で最も揉めやすい部分です。地中に何が埋まっているかは掘るまで分からないため、「出たときにどうするか」を先に決めておくことが、追加請求への唯一の備えになります。

支払いについては、着工前に全額を求められた場合、その理由を確認してください。工事の進み方に応じて分けるのが一般的です。

訪問営業で契約を勧められたとき

空き家や古い家には、解体や外装工事の営業が訪問してくることがあります。

その場で契約する必要はありません。見積書を置いていってもらい、他社の金額と並べてから決めれば十分です。

自宅への訪問で契約した場合、特定商取引法の訪問販売にあたることがあり、条件を満たせば法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば書面や電磁的記録によりクーリング・オフができます(消費者庁)。

該当するかは契約の状況によって変わるため、迷った場合は消費者ホットライン「188」やお住まいの消費生活センターに相談してください。

同じ条件で複数社に出す

比べられる見積書を集めるには、こちらから伝える条件を揃えます。

  • 建物の所在地、構造、おおよその延べ床面積、建築年
  • 解体の範囲(建物だけか、塀・門・庭木・物置まで含めるか)
  • 整地の仕上げ(草の根まで除去するか、砕石を敷くか)
  • 希望の着工時期
  • 家財道具が残っているかどうか

同じ内容で3社程度から取れば、金額の差が「工事範囲の差」ではなく「業者の差」として読めます。安い見積書が、単に工事範囲の狭い見積書だったという食い違いも防げます。

補助金を使う予定がある場合は、着工前に申請が必要な自治体が多いため、業者を決める前に制度を確認しておいてください。

契約したあとに起きること

見積書と契約書を確認しておけば、工事中のやり取りが軽くなります。

よくある質問

地元の小さな業者と、大手の一括見積もりサービス経由の業者では、どちらが安いですか?

金額だけで一方が有利とは言えません。解体費用の4〜5割は廃棄物の処分費なので、処分場が近い業者や自社で運搬する業者は下がりやすく、これは会社の規模ではなく立地と設備で決まります。地元業者に直接聞いた金額と、複数社から出た見積もりの両方を並べると、その建物の適正な幅が見えます。

工事の途中で追加費用を請求されました。払わなければいけませんか?

契約書と見積書に、地中障害物や石綿が出た場合の取り決めがあるかをまず確認してください。取り決めがあればその条件に従い、無いまま事前の合意なく作業が進められた場合は、金額の根拠(数量・単価・現場写真)の提示を求めてください。話し合いがつかないときは、消費者ホットライン「188」やお住まいの消費生活センターに相談できます。

近隣への挨拶は誰がしますか?

多くの業者が着工前に周辺へ挨拶に回りますが、契約に含まれているかは業者によって違うため、見積書の諸経費に含まれるかを確認してください。施主本人も一度顔を出しておくと、工事中に騒音や振動の苦情が出たときの話が早くなります。挨拶の範囲(両隣と向かい3軒か、道路を挟んだ家まで含めるか)も決めておくと行き違いが減ります。

解体後に建物滅失登記は必要ですか?

建物を取り壊したときは、法務局への建物滅失登記の申請が必要です。申請には業者が発行する取り壊し証明書(滅失証明書)と会社の登記事項証明書・印鑑証明書が必要になるため、工事の契約時に発行してもらえるかを確認しておいてください。手続きの期限や必要書類は法務局または土地家屋調査士に確認してください。

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