安全に関する注意
この記事は調査にいくらかかるか、誰に頼むかを扱います。水が入っている場所の応急処置や、原因を自分で切り分ける方法は扱いません。天井から水が落ちている状態であれば、まず業者に連絡してください。
雨漏りの調査費用は、方法によって無料から50万円まで開きます。全体としては5万〜20万円前後に収まることが多い水準です。
金額の差は、人と機材にかかる時間の差です。目視で終わるか、水をかけて何時間も待つか、機材を持ち込むかで変わります。
そして調査を工事と分けるかどうかが、もう一つの判断になります。
なお調査費用に公的な統計はありません。以下は複数の調査会社・リフォーム会社が公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。
方法別の費用
| 方法 | 費用の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 目視点検のみ | 無料〜3万円 | 屋上・ベランダ・外壁を見て回る |
| 散水調査 | 5万〜20万円 | 水をかけて、室内に出るかを確かめる |
| 発光液調査 | 12万〜25万円 | 光る液を混ぜた水を流し、経路を追う |
| 赤外線サーモグラフィ | 10万〜50万円 | 温度差から水の入っている範囲を見る |
金額の幅は、調査する範囲、建物の大きさ、足場や高所作業が要るかで変わります。
散水調査は時間がかかります。水をかけてから室内に出るまで待つため、1か所ずつ順に確かめる作業になります。範囲が広いほど日数が増えます。
どの方法を選ぶか
方法は業者に選んでもらってください。 自分で指定するより、なぜその方法を使うのかを説明してもらうほうが確実です。
一般的な使い分けです。
| 状況 | 使われやすい方法 |
|---|---|
| 入り口の見当がついている | 散水調査 |
| 範囲が広く、見当がつかない | 赤外線サーモグラフィで範囲を絞る |
| 経路が複雑で追えない | 発光液調査 |
| まず状態を知りたい | 目視点検 |
赤外線で範囲を絞ってから散水で確かめる、というように組み合わせることもあります。その場合は合計でいくらになるかを聞いてください。
関連する資格に、赤外線建物診断技能士があります。赤外線サーモグラフィで診断し、改修の方法を助言する資格です。
無料調査の仕組み
「調査無料」を掲げる業者があります。仕組みを知っておいてください。
目視だけの点検であれば、無料で行う業者は珍しくありません。時間も機材もかからないためです。
一方、散水や赤外線を使う調査には人と機材の時間がかかります。それを無料にしている場合、工事の受注を前提にしていることがあります。
確認することは2つです。
- 無料の範囲はどこまでか(目視のみか、機材を使う調査も含むか)
- 工事を頼まなかった場合、調査結果の報告書をもらえるか
報告書をもらえないと、他社に見積もりを頼むときに一から調べ直すことになります。 その分の時間と費用がかかります。
調査と工事を分けるか
判断が要るところです。
| 進め方 | 利点 | 欠点 |
|---|---|---|
| 同じ業者に頼む | 手間が少ない。調査費が工事費に組み込まれることがある | 工事の必要性を確かめる相手がいない |
| 調査だけ別に頼む | 提案された工事が必要かを第三者に確かめられる | 費用が増える。日程も延びる |
金額の小さい工事なら、同じ業者でよいことが多くなります。手間と費用の割に得られるものが小さいためです。
一方、数十万円以上の工事を勧められている場合は、分けることを検討してください。調査費を払っても、不要な工事を避けられれば元は取れます。
とくに突然訪問してきた業者から工事を勧められている場合は、自分で選んだ別の業者に見てもらってください。手口については屋根と外壁の点検商法にまとめています。
報告書に書かれているべきこと
調査が終わったら、書面を受け取ってください。次が書かれているかを見ます。
- 調査した日と、使った方法
- 水の入り口として特定された場所
- どこを通って室内に出ているか
- 特定に至った根拠(散水の順序、赤外線の画像など)
- 提案する工事の内容と範囲
- 特定できなかった場合はその旨
3番が書かれているかを見てください。入り口だけを示して経路の説明がない報告書は、推測で書かれている可能性があります。
写真が添付されているかも確認してください。あとから別の業者に相談するとき、材料になります。
特定できないことがある
1回の調査で原因が分からないことがあります。
水が入る場所と室内に出る場所は、離れていることがあります。外壁から入った水が構造材を伝って、数メートル先の天井に出るという形です。
依頼する前に、次を確認してください。
- 特定できなかった場合、費用はどうなるか
- 追加の調査を行う場合の費用
- 何回まで、どこまでの範囲を調べるか
「必ず特定します」と言い切る業者より、特定できない場合の扱いを説明できる業者のほうが確実です。
調査のあとの工事
調査で原因が分かったら、工事の見積もりに進みます。
原因が防水層にあるなら、防水工事の費用相場で費用の目安を確認してください。ベランダであればベランダ防水の費用にまとめています。
業者の選び方と見積書の見方は防水業者の選び方を見てください。防水を扱う業者には種類があり、得意な範囲が違います。
よくある質問
調査は無料でやってくれる業者もあります。
目視だけの点検であれば無料で行う業者があります。ただし散水や赤外線を使う調査には人と機材の時間がかかるため、無料の範囲がどこまでかを先に確認してください。工事の受注を前提にしている場合、その業者に頼まないと調査結果をもらえないことがあります。
調査と工事は同じ業者に頼むべきですか?
同じ業者に頼むほうが手間は少なく、費用も抑えられます。一方、調査だけを別に頼むと、提案された工事が必要かどうかを第三者の目で確かめられます。金額の大きい工事を勧められている場合は、分けることを検討してください。
どの調査方法を選べばよいですか?
業者に選んでもらってください。水の入り口の見当がついていれば散水調査、範囲が広く見当がつかない場合は赤外線から入るのが一般的です。方法を指定するより、なぜその方法を使うのかを説明してもらうほうが確実です。
調査しても原因が分からないことはありますか?
あります。水が入る場所と室内に出る場所が離れていることがあり、1回で特定できないことがあります。その場合の追加調査の費用がどうなるかを、依頼する前に確認してください。
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