防水工事は、4種類の業者が扱っています。得意な工法と範囲が違うため、勧められる内容も変わります。
業者ごとに提案が食い違うのは、多くの場合これが理由です。腕の良し悪しではありません。
だから比べるときは、金額よりなぜその工法なのかの説明を見ます。
4種類の業者
| 業者 | 得意な範囲 | 傾向 |
|---|---|---|
| 防水専門店 | 防水全般 | 工法の選択肢が広い。屋上・大面積にも対応 |
| 塗装業者 | 外壁塗装と同時の防水 | 塗る工法(ウレタンなど)が中心になりやすい |
| 屋根業者 | 屋根・傾斜屋根まわり | 屋根の葺き替えと同時に扱える |
| リフォーム会社 | 住宅全体の工事 | 窓口が1つで済む。施工は下請けのことが多い |
防水だけを行うなら防水専門店、外壁塗装と同時なら塗装業者、屋根と一緒なら屋根業者が扱いやすくなります。
まず工事の範囲を決めてから、その範囲を得意とする業者を含めて声をかけてください。 範囲が決まっていないと、業者ごとに違う前提の見積もりが並びます。
工法そのものの違いは防水工法の選び方にまとめています。
見積書で揃える項目
同じ条件で出してもらわないと比べられません。次を揃えます。
- 面積の内訳(床と立上りを分けて)
- 工法名と、使う製品のメーカー・商品名
- 塗る厚み、または貼るシートの厚み
- 既存防水の扱い(かぶせるか、撤去するか)
- 下地補修の想定数量
- ドレンまわりの処理
- トップコートの有無
- 足場の要否と金額
- 保証の内容と年数
2番と3番が書かれていない見積書は比べられません。同じ「ウレタン防水」でも、製品と厚みで価格と性能が変わります。
5番も見てください。下地補修の数量は業者ごとに前提が違いやすく、安い見積もりは少なめに見込んでいることがあります。着工後に追加が出る原因になります。
保証で見るところ
年数だけでは判断できません。
聞くのは次の3つです。
- 何が対象か(防水層の不具合か、漏水そのものか)
- 何が免責か
- 保証を出すのは誰か(契約する会社か、施工する会社か)
免責になりやすいものです。
| 免責とされることがあるもの | 理由 |
|---|---|
| 地震・台風などによる損傷 | 想定外の外力 |
| 下地の動きによるひび割れ | 防水層ではなく躯体側の問題 |
| 排水口のつまりが原因の漏水 | 使用者側の管理の範囲 |
| 第三者が手を加えた場合 | 施工の連続性が切れる |
排水口のつまりは免責になりやすい項目です。落ち葉や土は自分で取り除けるので、年に1〜2回は見ておいてください。
保証書は工事の完了時に受け取ります。契約前に、様式を見せてもらえるか聞いてください。
自社施工か下請けか
聞いておく項目です。
自社で施工する場合、契約した相手がそのまま工事をします。不具合が出たときの窓口が1つで済みます。
下請けに出す場合、施工する会社と契約する会社が別になります。保証を誰が出すのか、不具合の連絡先はどちらかを確認してください。
下請けに出すこと自体は珍しくありません。 それだけで避ける必要はなく、責任の所在が明確かどうかで判断してください。
現地調査で見てもらうこと
見積もりの精度は、現地調査で決まります。次を見てもらってください。
- 既存の防水の種類と、どこまで傷んでいるか
- 水がたまる場所と、下地の傾き
- 排水口とその周辺
- 立上りと床の境目
- 笠木やパラペットの状態
- 室内側にしみや浮きが出ていないか
室内側にしみが出ている場合は、防水の見積もりだけでは足りないことがあります。どこから入っているかを調べる必要があるためです。
調査の方法と費用は雨漏り調査の費用にまとめています。
何社取るか
3社程度が目安です。1社では金額の妥当性が分からず、社数を増やすと現地調査の日程調整が負担になります。
社数より、同じ条件で出してもらうことのほうが大切です。 面積の前提と、既存防水の扱いが揃っていれば、3社でも十分に判断できます。
見積もりが出そろったら、次の順で見てください。
- 面積の前提が揃っているか
- 工法と製品が同じか、違うなら理由は何か
- 下地補修の数量に差がないか
- 金額の差がどの項目から出ているか
- 保証の内容に差がないか
金額を最初に見ないでください。 揃っていない見積もりを金額で並べると、安く見えるものを選ぶことになります。
費用の内訳と単価は防水工事の費用相場、やり替えの時期の目安は防水のやり替え時期にまとめています。
よくある質問
どこに頼むのがよいですか?
工事の範囲で変わります。防水だけなら防水専門店、外壁塗装と同時に行うなら塗装業者、屋根と一緒なら屋根業者が扱いやすくなります。まず範囲を決めてから、その範囲を得意とする業者を含めて複数社に声をかけてください。
「10年保証」と言われました。
年数だけでは判断できません。何が対象で、何が免責になるかを書面で確認してください。地震や台風による損傷、下地の動きによるひび割れ、排水口のつまりが原因の漏水などは免責とされることがあります。
下請けに出されると何が変わりますか?
施工する会社と契約する会社が別になります。不具合が出たときの窓口や、保証を誰が出すのかが変わるため、契約前に確認してください。下請けに出すこと自体は珍しくないので、それだけで避ける必要はありません。
相見積もりは何社取ればよいですか?
3社程度が目安です。1社では金額の妥当性が分からず、5社を超えると現地調査の日程調整が負担になります。同じ条件で出してもらうことのほうが、社数より大切です。
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