特定空家と管理不全空家の違い|国の参考基準で自分の家を見る

カテゴリ: 制度と税金

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目次
  1. 保安上の危険
  2. 衛生と景観
  3. 周辺の生活環境
  4. 例に当たれば自動的に該当するのか
  5. 通知が来たときの動き方
  6. 手入れで止めるか、解体するか

特定空家と管理不全空家の違いは、壊れているか、手入れがされていないかです。

特定空家の基準に並ぶのは「倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜」「剥落又は脱落」といった言葉です。一方、管理不全空家に並ぶのは「破損、腐朽」「補修等がなされておらず、〜が認められる状態」です。

つまり管理不全空家は、まだ壊れていなくても該当しうる区分です。国が部位ごとに状態の例を示しているので、自分の家と照らし合わせられます。

保安上の危険

国土交通省が示している参考基準を、部位ごとに並べます(国土交通省)。

部位 特定空家の状態の例 管理不全空家の状態の例
建築物 倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜 構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食
門・塀・屋外階段 倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜 構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食
立木 倒壊のおそれがあるほどの著しい傾斜 伐採・補強がなされておらず、腐朽が認められる状態
擁壁 一部の崩壊、著しい土砂の流出 ひび割れなどの劣化、水のしみ出し、変状
外装材・屋根ふき材・雨樋等 剥落または脱落 それらの破損、または支持部材の破損・腐食
軒・バルコニー 突出物の脱落 支持部分の破損、腐朽

同じ部位でも、言葉が変わっているところに注目してください。特定空家は「脱落」、管理不全空家は「破損」です。

雨樋が外れて落ちていれば特定空家の例に当たり、割れているだけなら管理不全空家の例に当たります。

衛生と景観

住んでいないと気づきにくい項目が並びます。

項目 特定空家の状態の例 管理不全空家の状態の例
石綿 飛散の可能性が高い吹付け石綿の露出 吹付け石綿の周囲の外装材や石綿使用部材の破損
汚水 排水設備(浄化槽を含む)からの汚水等の流出 排水設備の破損
害虫 著しく多数の蚊、ねずみ等の発生 清掃がされておらず、常態的な水たまりや腐敗したごみ
動物の糞尿 敷地等の著しい量の糞尿 駆除がされておらず、常態的な動物の棲みつき
景観 屋根ふき材・外装材・看板等の著しい色褪せ、破損、汚損 補修がされておらず、色褪せ・破損・汚損が認められる状態

浄化槽が残っている家では、排水設備の項目に注意してください。長く使っていない浄化槽は破損に気づきにくい設備です。撤去の手順と費用は浄化槽の撤去費用にまとめています。

解体した場合の金額を先に把握する

周辺の生活環境

近隣から苦情が出やすい項目です。

項目 特定空家の状態の例 管理不全空家の状態の例
悪臭 排水設備の汚水等による悪臭の発生 排水設備の破損、封水切れ
不法侵入 不特定の者が容易に侵入できるほどの著しい開口部の破損 開口部等の破損
落雪 頻繁な落雪の形跡 通常の雪下ろしがされていないことが認められる状態
立木の枝 通行の妨げのおそれがあるほどの著しいはみ出し 剪定がされておらず、枝等のはみ出しが認められる状態
動物の騒音 著しい頻度・音量の鳴き声を発する動物の棲みつき 駆除がされておらず、常態的な棲みつき

窓が割れているだけで管理不全空家の例に当たります。侵入されるほど壊れていなくても、開口部の破損として挙げられているためです。

庭木のはみ出しも同じです。通行の妨げになるほどでなくても、剪定がされていなければ例に該当します。庭木の伐採と抜根の費用で費用の目安を示しています。

例に当たれば自動的に該当するのか

しません。ガイドラインは、これらの状態の例を参考として総合的に判断すること、例によらない場合も個別の事案に応じて判断することを明記しています。

判断するのは市町村です。実際には、近隣からの相談や職員の外観調査をきっかけに調べられます。

つまりこの表は「該当するかどうかの判定表」ではなく、自分の家がどのあたりにあるかを知るための物差しです。当てはまる項目が増えているなら、行政から連絡が来る前に手を打つ余地があります。

通知が来たときの動き方

市町村からの連絡は、いきなり命令になるわけではありません。段階を踏みます。放置した場合に何が起きるかは、空き家を放置するとどうなるかにまとめています。

通知を受け取ったら、次の順で確認してください。

  1. どの段階の措置か(助言・指導なのか、勧告なのか)を文書で確かめる
  2. 指摘されている箇所と、求められている改善の内容を書き出す
  3. 期限が示されていれば控える
  4. 市町村の担当課に連絡し、対応の予定を伝える
  5. 補修で済むのか、解体を検討するのかを決める

連絡を取ることが要点です。担当課と話ができていれば、対応中であることが記録されます。返事をしないまま時間が過ぎると、次の段階へ進む理由になります。

手入れで止めるか、解体するか

指摘された箇所を直せば、それ以上進みません。国は管理の例として、一定の頻度で屋根ふき材や排水設備の点検・補修を行うこと、立木の点検・伐採を行うことを挙げています。

判断の材料は次のあたりです。

  • その土地を将来使う予定があるか
  • 通える距離か、管理を頼める人がいるか
  • 建物に売却や賃貸で使える価値が残っているか
  • 補修を続けた場合の年あたりの費用と、解体費用の比較

遠方で通えないなら、管理の代行を頼む方法があります。自治体のシルバー人材センターや、空き家の管理を請け負う事業者が窓口です。

解体を選ぶ場合は、補助金の有無を先に調べてください。空き家の解体には自治体の補助があることがあり、空き家の解体費用の補助金で調べ方をまとめています。いずれも着工前の申請が原則です。

よくある質問

管理不全空家に指定されると、すぐに税金が上がりますか?

上がるのは勧告を受けた場合です。助言・指導の段階では住宅用地特例は外れません。通知が来たら、どの段階の措置なのかを文書で確かめてください。

遠方に住んでいて年に1回しか行けません。それでも該当しますか?

頻度そのものが基準になっているわけではなく、建物や敷地の状態で判断されます。国は屋根や排水設備の点検、立木の剪定などを一定の頻度で行うことを管理の例として示しています。通えないのであれば、管理を代行する事業者や自治体のシルバー人材センターを使う方法があります。

助言・指導の通知が来ました。何をすればよいですか?

まず通知に書かれた指摘の内容と、いつまでに何を改善すればよいかを確認してください。そのうえで市町村の担当課に連絡し、対応の予定を伝えてください。連絡を取っている間は、次の段階へ急に進むことは通常ありません。

解体する以外に、指定を避ける方法はありますか?

あります。指摘された箇所を補修する、立木を剪定する、開口部をふさぐといった手当てで状態が改善されれば、それ以上進みません。解体するか手入れを続けるかは、その土地を将来どうするかで決めてください。

見積もりを見比べてから決められます

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