庭木の処理は、伐採(切る)と抜根(根を掘り起こす)で料金が別になります。ここを知らないまま見積書を見ると、金額の違いが読めません。
高さ3〜5mの中木1本なら、伐採と処分だけで2万〜5万円前後、抜根まで含めると5,000〜15,000円ほどの上乗せが目安です。
そして根を残すかどうかは、費用だけでなく土地を今後どうするかで決まります。
なお費用に公的な統計はありません。以下は複数の造園業者・解体業者が公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。
費用の目安
高さ3〜5mの中木1本を例にした内訳です。
| 作業 | 費用の目安 |
|---|---|
| 伐採(作業費) | 10,000〜25,000円 |
| 枝葉・幹の処分費 | 2,000〜5,000円 |
| 抜根(追加) | 5,000〜15,000円 |
| 重機(ユンボ)を入れる場合 | 1日あたり15,000〜25,000円 |
伐採から処分までの合計は2万〜5万円前後、抜根まで行うと総額で1.9万〜17万円と幅が出ます。
幅が大きいのは次の条件で変わるためです。
- 木の高さと幹の太さ
- 本数(まとめて頼むほど1本あたりは下がる)
- 重機が入れるか(入れない場合は手作業で切り分ける)
- 建物や塀との距離(倒す方向を選べないと手間が増える)
- 処分場までの距離
とくに幹の直径が25cmを超える切り株は、人力では抜けず重機が必要になります。この場合、重機費込みで十数万円単位になることがあります。
伐採と抜根はなぜ別料金なのか
切る作業と掘る作業では、必要な手間がまったく違います。
伐採は地上部を切って運び出す作業です。高さと太さで手間が決まります。
抜根は地面を掘って根を切り離す作業です。根は幹の太さに応じて横にも下にも広がっているため、掘る範囲が想像より広くなります。地中の配管や基礎に当たることもあり、重機が入れなければ人力で掘ることになります。
見積書に「庭木撤去 一式」とだけ書かれている場合、抜根まで含むかどうかを必ず確認してください。 切り株が残ったまま引き渡されて、あとから追加で頼むと重機を再度手配することになります。
根を残すと困る場面
抜根を省いてよいか、判断の基準です。
| 土地の使い道 | 抜根の要否 |
|---|---|
| 建物を建てる | 必要。基礎工事の障害になる |
| 土地を売る | したほうがよい。買主が更地として扱いにくい |
| 駐車場にする | 状況による。舗装するなら必要 |
| そのまま持ち続ける | 残してもよい |
根を残すと、数年かけて腐っていく過程で地面が沈むことがあります。舗装したあとに沈むと、やり直しの費用がかかります。
また、残った根は地中障害物として扱われます。土地を売ったあとに買主が建物を建てる段階で見つかると、その撤去費用の負担が問題になることがあります。
解体業者と造園業者の使い分け
どちらに頼むかは、木を残すかどうかで決まります。
| 状況 | 向いている依頼先 |
|---|---|
| 建物の解体と同時に全部撤去する | 解体業者(重機の回送費が共通化される) |
| 庭木だけを処理したい | 造園業者・伐採業者 |
| 残す木の剪定も頼みたい | 造園業者 |
| 大木があり重機が必要 | 解体業者(重機を持っている) |
建物を解体するなら、まとめて解体業者に頼むほうが合計は下がりやすくなります。 重機と作業員がすでに現場にいるためです。
ただし「思い出のある木だけ残したい」という場合は、先に造園業者に相談してください。解体工事の重機が入ると、残す予定の木も傷つくことがあります。残す木がある場合は、契約前に業者へ伝えて養生してもらってください。
見積もりを取るときに伝えること
現地調査の前に数えておくと、見積もりの精度が上がります。
- 木の本数と、それぞれのおおよその高さ
- 幹の太さ(直径25cmが一つの目安)
- 残したい木があるか
- 庭石、灯籠、池、フェンスなど木以外の物があるか
- 隣家に枝が越境していないか
庭石や池は木とは別の費用になります。古い家の庭には、想像より重い石が置かれていることがよくあります。 見落としやすいので、現地調査のときに一緒に見てもらってください。
枝が隣地に越境している場合の扱いは、解体前に確認する境界と越境にまとめています。工事の前に状態を写真に残しておくと、あとの行き違いを防げます。
なお、剪定がされずに枝がはみ出している状態は、市町村が空き家の状態を見るときの材料になります。国の参考基準では管理不全空家等の状態の例として挙げられています。詳しくは特定空家と管理不全空家の違いを見てください。
よくある質問
伐採だけして、根はそのままでもよいですか?
駐車場にする、そのまま持ち続けるといった場合は残しても差し支えありません。ただし建物を建てる、土地を売るなら抜根しておくほうが後の手間が減ります。根は数年かけて腐り、その過程で地面が沈むことがあるためです。
自分で切れば安く済みますか?
細い木なら可能ですが、高さのある木は倒す方向を誤ると隣家や電線を傷つけます。切った枝葉の処分も自治体のルールに従う必要があり、量が多いと持ち込みを断られることがあります。3mを超える木は業者に任せるほうが結果的に安く収まります。
造園業者と解体業者では、どちらに頼むほうが安いですか?
建物の解体と同時なら、解体業者にまとめるほうが重機の回送費が共通化されて安く収まりやすくなります。庭木だけを処理したい場合や、残す木の剪定も頼みたい場合は造園業者が向いています。木を残す予定があるかどうかで選び分けてください。
隣家に越境している枝はどう扱いますか?
自分の敷地の木であれば、こちら側で切る分に問題はありません。逆に隣家の木の枝がこちらに入っている場合は、原則として所有者に切ってもらう必要があります。解体前に越境の状態を写真に残しておくと、工事後の行き違いを防げます。
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