解体の時期と固定資産税|12月に壊すか1月に壊すかで変わること

カテゴリ: 制度と税金

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目次
  1. 1月1日で1年度分が決まる
  2. 12月と1月の違いを並べる
  3. 住宅用地の特例の中身
  4. 建て替えなら特例が続く
  5. 取り壊したら知らせる

家を解体するなら、完了日が12月中か1月2日以降かで、土地の固定資産税が上がる年度が1年ずれます。固定資産税は毎年1月1日の状態でその年度の税額が決まるためです。

12月中に更地にすると、翌年1月1日に住宅が無く、翌年度から住宅用地の特例が外れます。1月2日以降に壊せば、特例が外れるのはさらに1年先の年度です。

以下は地方税法の条文(e-Gov法令検索)と、名古屋市・広島市・松山市の公式の案内で、確認したのは2026年9月です。税額は評価額や自治体で変わるので、金額は市区町村の資産税担当窓口で確かめてください。

1月1日で1年度分が決まる

地方税法359条は、固定資産税の賦課期日を「一月一日」と定めています。

名古屋市は、固定資産税と都市計画税は1月1日に存在する家屋の所有者に、その年の4月から始まる年度の1年分が課税されるとし、年の途中で家屋を取り壊しても1年度分を払う必要があるとしています。

課税の対象 1月1日に建物がある年度 取り壊した翌年の1月1日以降
家屋 1年度分かかる(月割りなし) かからない
土地 住宅用地の特例あり 特例が外れ、税額が上がる場合がある

広島市も、取り壊した家屋が住宅だった場合は、翌年度から土地に住宅用地の特例が適用されなくなり、税額が上がる場合があると案内しています。

12月と1月の違いを並べる

2026年に解体を考えている場合で並べます。

解体の完了 2027年1月1日の状態 2027年度(4月〜) 2028年度(4月〜)
2026年12月 更地 家屋の税なし、土地は特例なし 土地は特例なし
2027年1月 住宅あり 家屋の税あり、土地は特例あり 家屋の税なし、土地は特例なし

1月に壊すと、2027年度は家屋の税がかかる代わりに、土地の特例が1年度分残ります。どちらが得かは、家屋の税額と、特例が外れたときの土地の増額の大小で決まります。

特例の差だけで試算すると、次のようになります。固定資産税の標準税率は1.4%です(地方税法350条)。

評価額800万円・150㎡の土地 課税標準 固定資産税(年)
住宅用地の特例あり 約133万円(6分の1) 約18,700円
特例なし 800万円 112,000円

これは特例の率だけを当てた計算で、実際は負担調整などで一度にここまで上がらないことがあります。

毎年届く課税明細書には、土地と家屋の税額が分けて書かれています。家屋の税額と、特例が外れた場合の土地の増額を窓口で試算してもらい、比べてから時期を決めてください。

住宅用地の特例の中身

地方税法349条の3の2と702条の3が、住宅が建っている土地の課税標準を下げています。

区分 固定資産税 都市計画税
200㎡以下の部分(小規模住宅用地) 評価額の6分の1 評価額の3分の1
200㎡を超える部分(一般住宅用地) 評価額の3分の1 評価額の3分の2

更地になると、この軽減が無くなります。ただし実際の税額は、負担調整などの仕組みで評価額の変化がそのまま反映されないことがあり、「6倍になる」とは限りません。

空き家を放置して市区町村から勧告を受けた場合も、同じ特例が外れます(同条)。こちらの仕組みは空き家を放置するとどうなるかで説明しています。

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建て替えなら特例が続く

更地や建築途中の土地は、原則として住宅用地に当たりません。松山市は、「建築を予定しているだけで、更地の場合」「着工は開始しているが、建築途中の場合」を特例の対象外の例に挙げています。

一方で、建て替えの場合は、次の要件をすべて満たせば特例が続きます。

  1. その土地が、前年度の1月1日に住宅用地だった
  2. 今年度の1月1日に新しい住宅の建設に着手していて、翌年度の1月1日までに完成する
  3. 建て替える前と同じ敷地で建てる
  4. 前年度と今年度の1月1日の土地の所有者が、原則として同じ
  5. 前年度と今年度の1月1日の住宅の所有者が、原則として同じ

松山市は、「原則として同じ」には前年度の所有者の配偶者や直系血族(祖父母、父母、子、孫など)も含むとしています。親の家を子が建て替える場合も、要件に入りえます。

この特例は、特例申告書を提出して受けます。解体から着工までが1月1日をまたぐ日程なら、市区町村の資産税担当に申告の方法を確認してください。

取り壊したら知らせる

取り壊したことが市区町村に伝わらないと、家屋の課税が続くことがあります。

建物 手続き
登記されている 法務局に建物滅失登記を申請する(取り壊しから1か月以内)
登記されていない 市区町村に家屋の滅失を届け出る(自治体による)

名古屋市は、家屋を取り壊したら市税事務所の家屋担当に知らせるよう案内し、申告書の提出は不要としています。登記の手順は建物滅失登記のやり方で説明しています。

更地にして売るか、建物を残して売るかの判断は、古家付き土地と更地はどちらで売るかにまとめました。

よくある質問

解体を1月まで待つと、どれくらい得になりますか?

評価額800万円・150㎡の土地で特例の差だけを見ると、固定資産税は年18,667円から112,000円への差で、1年度分待てば約9万円の違いです。実際は負担調整で一度にここまで上がらないことがあります。自分の土地の差額は、課税明細書を持って市区町村の資産税担当窓口で試算してもらってください。

取り壊したら市役所に何か出す必要がありますか?

登記されている建物なら、法務局に建物滅失登記を申請すれば市区町村にも伝わります。名古屋市は、取り壊したら市税事務所に知らせるよう案内しており、申告書の提出は不要としています。登記されていない建物は、市区町村に家屋の滅失届を出す自治体があります。

親の名義のまま亡くなっている家の固定資産税は誰に来ますか?

地方税法343条は、登記名義人が1月1日より前に死亡しているときは、その日に現に所有している者に課すと定めています。相続人が複数いるなら、誰が納税通知書を受け取り、誰が払うかを決めておく必要があります。

更地にしてすぐ売る場合も特例が外れますか?

1月1日をまたがずに売却して引き渡せば、更地の状態で1月1日を迎えるのは買主側になります。その年度の税は1月1日時点の所有者に課されるため、売主と買主でどう分けるかを売買契約で決めておきます。

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