登記されていない家を解体したら、市区町村の固定資産税の担当に家屋滅失届を出します。法務局の建物滅失登記は登記されている建物の手続きなので、未登記の家では使えません。
時期は、取り壊した年の年内が目安です。固定資産税は1月1日の状態で課税されるため、市区町村が取り壊しを把握していないと、翌年度も無い家屋に課税されることがあります。
以下は岡山市・鹿児島市・新座市・かすみがうら市・八王子市の公式の案内で、確認したのは2026年9月です。様式と添付書類は自治体ごとに違うので、家のある市区町村の案内で確かめてください。
登記されているかを先に見分ける
手続きが2つに分かれるので、最初に登記の有無を確かめます。
| 家屋の状態 | 手続き | 出す先 |
|---|---|---|
| 登記されている | 建物滅失登記 | 法務局 |
| 登記されていない | 家屋滅失届 | 市区町村の固定資産税の担当 |
見分けるのに使えるのが、毎年届く固定資産税の課税明細書です。八王子市の見方の案内では、家屋番号欄は登記簿上の家屋番号を書き、未登記の場合は「未登記」と書くとしています。
古い家では、母屋は登記されていても、あとから建てた離れや車庫、倉庫が未登記ということがあります。課税明細書に載っている家屋を1棟ずつ確認してください。
自治体ごとの扱い
| 自治体 | 未登記家屋を取り壊したとき | 登記済みの家屋 |
|---|---|---|
| 岡山市 | 家屋滅失届を提出 | 滅失登記。登記が遅れる場合は家屋滅失届も |
| 鹿児島市 | 取り壊した年の年末までに電話などで連絡。前の年度以前の取り壊しは届と解体証明を提出 | 滅失登記が済めば法務局から市へ通知され、市への申請は不要 |
| 新座市 | 建物滅失届を提出。現地調査のうえ課税台帳から取消 | 滅失登記の通知を受けて現地調査 |
| かすみがうら市 | 家屋滅失届を提出するか連絡 | 滅失登記。登記しない、または翌年以降になるなら家屋滅失届 |
鹿児島市のように、その年のうちなら電話の連絡で足りる自治体もあります。反対に、書面の提出を求める自治体もあるので、解体の予定が決まったら担当窓口に方法を聞いておくと確実です。
添付する書類
届に添える書類として、次のものが案内されています。
- 解体証明(解体工事業者が発行する)
- 工事費用の領収書
- 取り壊し工事の様子を撮った日付入りの写真
鹿児島市は、解体の場合は解体工事業者が発行する解体証明、焼失の場合は罹災証明を添えるとし、解体証明の様式も公開しています。
年末に取り壊した場合は注意が要ります。かすみがうら市は、現地確認を年内に行えない場合があるので、取り壊した日を確認できる書類として、業者の証明書・領収書・日付入りの写真を用意するよう案内しています。
出さないと翌年度も課税される
固定資産税には日割りや月割りがありません。新座市は、取り壊した家屋は原則として取り壊した日の翌年度から課税がなくなるとしています。
ただしそれは、市区町村が取り壊しを把握していればの話です。かすみがうら市は、届出がないと取り壊した家屋に誤って課税される原因になると書いています。
| 取り壊しと届の時期 | 翌年度の家屋の課税 |
|---|---|
| 12月に取り壊し、年内に届・連絡 | かからない |
| 12月に取り壊し、届を出していない | かかることがある |
| 過去に取り壊していて、今年気づいた | 鹿児島市は届と解体証明で遡って抹消 |
気づいたのが何年も後でも、まず担当窓口に相談してください。
登記済みの家でも届が要る場合
登記されている家は、法務局で建物滅失登記をすれば、登記所から市区町村に通知が届きます(地方税法382条)。鹿児島市と新座市も、滅失登記が済めば法務局から市へ通知されるとしています。
ただし、滅失登記が遅れる場合は別です。岡山市は登記が遅れる場合、かすみがうら市は滅失登記の手続きが取り壊した翌年以降になる場合に、家屋滅失届を出すよう求めています。
滅失登記は取り壊しから1か月以内に申請する決まりですが、書類がそろわず遅れることがあります。年末にかかる解体なら、登記と届の両方を意識しておいてください。
登記の手順と、取壊し証明書がもらえないときの対応は建物滅失登記のやり方で説明しています。1月1日と固定資産税の関係は解体の時期と固定資産税にまとめました。
よくある質問
家屋滅失届を出さないとどうなりますか?
市区町村が取り壊しを把握できず、無くなった家屋に固定資産税がかかり続けることがあります。かすみがうら市は、届出がない場合は取り壊した家屋に誤って課税される原因になると案内しています。気づいた時点で届け出れば、鹿児島市のように遡って抹消する扱いの自治体もあります。
母屋は登記されていて、離れと物置は未登記です。
母屋は法務局に建物滅失登記を申請し、離れと物置は市区町村に家屋滅失届を出します。課税明細書に離れや物置が家屋として載っていなければ、そもそも課税されていないので届は要りません。載っている家屋を一覧にして、どれを何の手続きで消すかを分けてください。
解体証明は解体業者に頼めば出してもらえますか?
鹿児島市は解体証明の様式を公開しており、解体工事業者が発行するものとしています。登記済みの家の滅失登記に使う取壊し証明書とは提出先が違うので、未登記の建物がある場合は契約の段階で両方を出してもらえるか確認してください。
亡くなった親の名義の未登記家屋を壊す場合も、届を出すのは相続人ですか?
その家屋の固定資産税を払っている人が届を出すのが自然な流れです。未登記家屋の所有者を市区町村がどう登録しているかは課税明細書で分かるので、名義が親のままなら、届と一緒に所有者の変更の手続きが要るかを担当窓口で聞いてください。
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