取り壊し証明書(建物滅失証明書)は、建物を取り壊した解体業者が作る書類です。法務局は、建物滅失登記の申請にこの証明書と業者の印鑑証明書を添付するよう案内しています。
証明書には業者の実印を押します。会社の業者なら、申請書に会社法人等番号を書くことで、印鑑証明書などの添付を省略できます。
以下は法務局の記載例とチェックリスト、不動産登記法の条文(e-Gov法令検索)によるもので、確認したのは2026年9月です。申請の手順全体は建物滅失登記を自分でするで説明しています。
証明書に書く項目
法務局の記載例に載っている建物滅失証明書の項目です。
| 項目 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1 建物の表示 | 所在と家屋番号 | ○○市○○町二丁目12番地 家屋番号12番 |
| 2 滅失の理由 | 取壊しの日 | 令和○年○月○日取壊し |
| 3 所有者 | 所有者の住所と氏名 | 登記上の所有者 |
| 証明の文言 | 取り壊したことの証明 | 上記のとおり建物を取り壊したことを証明します |
| 作成者 | 日付、業者の所在地・名称・代表者名と押印 | 株式会社○○ 代表取締役○○ |
建物の表示は、登記事項証明書に書かれているとおりに合わせます。申請書の「登記原因及びその日付」には、この証明書に書かれた取壊しの日を書くと記載例は案内しています。
実印と印鑑証明書
法務局のチェックリストは、業者の印鑑について次のように案内しています。
| 業者 | 添える書類 | 省略できる場合 |
|---|---|---|
| 会社 | 会社の印鑑証明書、代表者の資格証明書 | 申請書に会社法人等番号を書けば省略できる |
| 個人 | 個人の印鑑証明書 | — |
鳥取地方法務局は「実印が押印されたもの」と書いています。佐賀地方法務局は、会社の場合に代表者の資格証明書も添付が必要で、会社法人等番号の記載で省略できるとしています。
受け取るときは、押してある印鑑が印鑑証明書と同じかも見てください。個人の業者は会社法人等番号がないので、印鑑証明書を必ず付けてもらいます。
証明書を使う場面は1つではない
取り壊した事実を示す書類として、滅失登記のほかにも使います。
| 使う場面 | 出す先 | 必要になる書類 |
|---|---|---|
| 建物滅失登記 | 法務局 | 業者の建物滅失証明書と印鑑証明書 |
| 未登記の建物の家屋滅失届 | 市区町村 | 解体証明(鹿児島市は様式を公開) |
| 相続空き家の3,000万円控除 | 税務署 | 取壊し等をした旨を証する書類(登記事項証明書など) |
| 解体の補助金の完了報告 | 市区町村 | 自治体が指定する書類 |
登記されている母屋と、未登記の離れを一緒に壊した場合は、法務局向けと市区町村向けの両方が要ります。業者には、何棟分、どこに出す証明書が要るかを伝えてください。未登記の建物の手続きは未登記の家を解体したら家屋滅失届にまとめています。
契約の段階で決めておくこと
証明書は、工事が終わってから頼むと受け取りが遅れることがあります。見積もりか契約の段階で、次を決めておきます。
- 取り壊し証明書を発行してもらえるか(登記されている建物の数だけ)
- 実印を押し、印鑑証明書を付けてもらえるか
- 会社法人等番号を教えてもらえるか
- いつ受け取れるか(取壊しから1か月以内に登記を申請するため)
- 費用がかかるか
滅失登記は取り壊しの日から1か月以内に申請する決まりなので、受け取りの時期は大事です。
業者と連絡が取れずもらえないとき
解体から時間がたって業者が廃業している、連絡が取れない、という場合があります。
法務局の案内は業者の証明書を添付するとしていますが、証明書が手に入らないときの扱いは、公式の資料では確認できませんでした。まず、建物の所在地を管轄する法務局の窓口相談(事前予約制)で事情を伝えてください。
不動産登記法29条は、表示に関する登記の申請があったとき、登記官が必要に応じて不動産を検査し、所有者などに質問できると定めています。建物がすでに無いことを現地で確かめる流れになることがあります。
土地家屋調査士に相談すれば、法務局とのやり取りから任せられます。平均的な報酬は建物滅失登記を自分でするで紹介しています。
よくある質問
取り壊し証明書は施主が自分で作ってもよいですか?
法務局の案内は、建物を取り壊した業者が作成した証明書を添付するとしています。施主が作った書面は、この証明書の代わりにはなりません。業者に作成と押印を頼んでください。
業者の印鑑は実印でなければいけませんか?
鳥取地方法務局のチェックリストは、実印が押印された証明書と印鑑証明書を添付するとしています。会社の場合は、申請書に会社法人等番号を書けば印鑑証明書の添付を省略できます。個人の業者の場合は、個人の印鑑証明書が要ります。
取り壊し証明書に費用はかかりますか?
発行に費用がかかるかは業者によります。契約の段階で、証明書と印鑑証明書を出してもらえるか、費用がかかるか、いつ受け取れるかを確かめ、契約書か見積書に書いておいてください。
証明書の日付と実際の取壊しの日がずれていたらどうなりますか?
申請書の「登記原因及びその日付」には、証明書に書かれた取壊しの日を書くと法務局の記載例は案内しています。日付がずれていると申請書と食い違うので、受け取ったときに取壊しを終えた日と合っているかを確認してください。
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