空き家を解体したあとの固定資産税を軽くする制度は、全国一律にはありません。国は、除却後の更地だけを軽減するのは他の更地との公平性から全国的な制度としては難しいとしています。
ただし、一部の市町村は条例などで独自に軽減しています。国土交通省の調査(令和4年)では66市町村が、解体後の土地の固定資産税を減免するか、増えた分を補助していました。
以下は国土交通省の事務連絡(令和5年12月13日)とその調査結果によるもので、確認したのは2026年9月です。制度は市町村ごとに違い、その後に変わっている場合もあるので、必ず土地のある市町村で確かめてください。
解体すると税が上がる理由
住宅が建っている土地は、地方税法の住宅用地の特例で固定資産税の課税標準が下がっています。200㎡以下の部分は評価額の6分の1、それを超える部分は3分の1です。
解体して住宅が無くなると、この特例が外れます。国土交通省の事務連絡も、除却するとその敷地の特例が適用されなくなることが、空き家が放置される要因の1つだという指摘に触れています。
特例がいつ外れるかは、1月1日の状態で決まります。時期の考え方は解体の時期と固定資産税で説明しています。
66市町村の制度の中身
国土交通省の調査による、66市町村の制度の全体像です。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 手段 | 税の減免など54市町村(82%)、補助金12市町村(18%) |
| 軽減の期間 | 3年が25市町村(36.4%)で最多。除却後3年以内が約6割 |
| 長い期間の例 | 5年が17市町村、10年が7市町村 |
| 対象の空き家 | 市独自の老朽空き家の認定などが46、特定空家等が19(複数回答) |
補助金の形では、平均的な土地の増加分の約3年分を参考に、定額で20万円を1回補助する例も紹介されています。
利用が多い市町村は、年度平均で海南市33.5件、有田市30.8件、高崎市30.7件などです。66市町村の平均は6.4件でした。
よくある条件
制度を使うには、市町村ごとの条件を満たす必要があります。調査で挙げられた例を並べます。
| 分類 | 条件の例 |
|---|---|
| 所有者 | 税の滞納がない、法人でない、暴力団員等でない |
| 所有者 | 家屋と土地の所有者が同じ |
| 解体後の土地 | 売買などで土地の所有者が変わっていない |
| 解体後の土地 | 新しい建物を建てていない、営利目的で使っていない、管理している |
| 家屋 | 昭和56年5月31日以前に建てられた |
| 空家法の措置 | 特定空家等として勧告・命令を受けていない |
土地を売ったり建物を建てたりすると対象から外れる条件が多くあります。減免は、解体してから土地の使い道を決めるまでの猶予として使う制度だと考えてください。
特定空家の扱いは市町村で正反対
特定空家等への扱いは、市町村によって逆になっています。
| 考え方 | 例 |
|---|---|
| 特定空家等を対象にする | 輪島市(期間3年、令和元〜4年度の実績108件) |
| 勧告・命令を受けていないことを条件にする | 諏訪市、桜井市、笠岡市 |
| 助言・指導に従って除却したことを条件にする | 栃木市 |
市町村から通知を受けている場合は、どの段階の通知かを伝えて、対象になるかを確かめてください。
解体費の補助金と一緒に確かめる
国の調査では、解体費の補助制度がある60市町村のうち、14市町村(23%)が「補助金を受けた場合でなければ税の軽減が受けられない」としていました。
| 補助金と税の軽減の関係 | 市町村数 |
|---|---|
| 補助金を受けた場合だけ税の軽減が受けられる | 14(23%) |
| どちらか一方しか使えない | 2(3%) |
| 特に関係はない(両方使える) | 43(72%) |
解体費の補助金は、多くの自治体で解体の契約や着工より前に申請する決まりです。先に解体してしまうと、補助金も税の軽減も受けられなくなる組み合わせがあります。
解体の見積もりを取る段階で、次の3つを市町村に聞いてください。
- 解体費の補助金はあるか、申請はいつまでか
- 解体後の固定資産税の減免や補助はあるか、条件は何か
- 両方を使う場合の順番
補助金の探し方と申請の流れは空き家の解体補助金にまとめています。
よくある質問
自分の市町村に減免の制度があるかは、どうやって調べますか?
市区町村のサイトで「空き家 除却 固定資産税 減免」と検索するか、資産税課か空き家対策の担当課に電話で聞いてください。国の調査に載っていない市町村でも、その後に制度を作っている場合があります。解体費の補助金と同じ窓口で案内されていることもあります。
解体したあとに申請しても間に合いますか?
制度によって違います。解体費の補助を受けた場合に限って税の軽減を認める市町村では、補助金の申請が解体の前に必要なことが多く、あとからでは受けられないことがあります。解体の契約をする前に、減免と補助金の両方の申請時期を確かめてください。
減免が受けられる期間が終わったらどうなりますか?
住宅用地の特例が外れた本来の税額に戻ります。国の調査でも、除却後の軽減は1〜10年の期間を区切ったものでした。期間中に売る、貸す、建てるなど、土地の使い道を決める猶予として考えてください。
特定空家に指定されていても減免は受けられますか?
市町村によって正反対です。輪島市のように特定空家等を対象にしている制度がある一方、諏訪市や桜井市、笠岡市のように、特定空家等として勧告や命令を受けていないことを条件にしている制度もあります。通知を受けている場合は、その段階を伝えて窓口で確認してください。
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