相続登記と解体はどちらが先か|期限と順番で変わる手続き

カテゴリ: 制度と税金

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目次
  1. 目的で順番が決まる
  2. 相続登記の期限
  3. 間に合わないときの方法
  4. 登録免許税
  5. 解体したあとの登記
  6. 進め方の目安

解体工事そのものは、相続登記より先に進められます。登記が亡くなった人の名義のままでも、工事はできます。

ただし土地を売る予定があるなら、相続登記が先です。そして順番にかかわらず、相続登記には期限が定められています。

2024年4月1日から義務になりました。施行日より前に開始した相続も対象で、その期限は2027年3月31日です。

目的で順番が決まる

その土地を今後どうするかで、進め方が変わります。

目的 先に進めるもの 理由
解体して土地を売る 相続登記 売買契約と所有権移転に名義が要る
解体して自分で使う・持ち続ける どちらでもよい ただし登記の期限は別に走っている
共有者の間で話がまとまっていない 相続登記 誰が共有者かを確定させる
建物が危険な状態にある 解体 安全の確保が先

売却が絡む場合は登記が先です。買主に所有権を移すには、まず相続人へ名義を移しておく必要があるためです。

一方、崩れかけていて近隣に危険が及ぶような状態なら、解体を優先してください。登記は手続きの期限内であれば後から進められます。

共有名義で話がまとまっていない場合の進め方は、共有名義の家を解体するにはにまとめています。

相続登記の期限

不動産登記法76条の2は、相続により所有権を取得した人に対して、取得を知った日から3年以内の申請を義務づけています。

正当な理由がないのに怠ったときは、10万円以下の過料の対象になります(同法164条1項)。

期限の起算点は、次の2つを両方知った日です。

  1. 自分のために相続の開始があったことを知った日
  2. その不動産の所有権を取得したことを知った日

2024年4月1日より前に開始した相続で、まだ登記していないものも対象になります。この場合の期限は2027年3月31日までです(取得を知った日が2024年4月以降なら、その日から3年以内)。

長く手つかずになっている実家がある場合は、この期日を確認してください(法務省)。

解体の見積もりも並行して取る

間に合わないときの方法

遺産分割の話し合いが3年で終わらないことはあります。そのために用意されているのが相続人申告登記です(76条の3)。

  • 登記官に対し、相続が開始したことと、自分が相続人であることを申し出る
  • 期間内に申し出た人は、申請義務を果たしたものとみなされる
  • 特定の相続人が単独で申し出られる

他の相続人の協力がなくても使えるところが要点です。話し合いが長引いても、自分の分の義務は果たせます。

ただしこれは所有権を移す登記ではありません。売却や担保設定の場面では、あらためて相続登記が必要です。遺産分割がまとまったら、その日から3年以内に申請してください。

登録免許税

相続による所有権移転の登記には、課税価格の1000分の4(0.4パーセント)の登録免許税がかかります。課税価格は固定資産課税台帳の評価額です。

免税措置もあります。不動産の価額が100万円以下の土地については、2027年3月31日までの間、この登録免許税が免除されます(法務局)。

地方の土地では、この範囲に入ることがあります。評価額は固定資産税の納税通知書で確認できます。

税額の計算や適用の可否は、法務局か司法書士に確認してください。

解体したあとの登記

建物を取り壊したら、滅失の日から1か月以内に建物滅失登記を申請します(不動産登記法57条)。こちらも怠ると10万円以下の過料の対象です。

表示に関する登記なので、登録免許税はかかりません。

必要になる書類は次のとおりです。

  1. 建物滅失登記申請書
  2. 解体業者が作成した取壊し証明書(実印を押したもの)
  3. 業者の印鑑証明書(法人は会社法人等番号でも可)
  4. 相続人が申請する場合は、相続を証する書面
  5. 代理人に頼む場合は委任状

登記名義が亡くなった人のままでも、相続人が申請できる取扱いになっています。必要書類は事案によって変わるため、管轄の法務局に確認してください。

取壊し証明書は解体業者からもらうものです。契約の段階で、発行してもらえるかを確認しておいてください。工事が終わってから頼むと、時間がかかることがあります。

進め方の目安

相続した実家を解体して売る場合の順番です。

  1. 登記事項証明書を取り、名義と共有者を確認する
  2. 司法書士に相続登記を依頼する(期限を伝える)
  3. 並行して解体業者の見積もりを取る
  4. 登記が終わったら解体工事を契約する
  5. 工事完了後、取壊し証明書を受け取る
  6. 1か月以内に建物滅失登記を申請する
  7. 土地の売却手続きに入る

登記と見積もりは同時に進められます。 司法書士の手続きを待っている間に業者を比べておくと、全体の期間が縮みます。

工事そのものの流れは、解体工事の流れにまとめています。

よくある質問

登記が亡くなった父のままです。このまま解体できますか?

解体工事そのものは進められます。ただし土地を売る予定があるなら、売買の前に相続登記が必要になります。相続登記には期限があるので、解体と並行して司法書士に相談してください。

相続人が多くて、3年以内に話がまとまりそうにありません。

相続人申告登記という簡易な方法があります。自分が相続人であることを登記官に申し出れば、その人については申請義務を果たしたものとみなされます。特定の相続人が単独で申し出られるので、遺産分割の話し合いが続いていても使えます。

相続人申告登記をすれば、それで手続きは終わりですか?

いいえ。相続人申告登記は義務を果たすための方法であって、所有権を移す登記ではありません。土地を売る、抵当権を設定するといった場面では、あらためて相続登記が必要になります。遺産分割がまとまったら、その日から3年以内に登記を申請してください。

建物滅失登記は自分でできますか?

できます。解体業者が作成する取壊し証明書などを添えて、管轄の法務局へ申請します。表示に関する登記なので登録免許税はかかりません。書類の集め方が分からない場合は、土地家屋調査士に依頼する方法もあります。

見積もりを見比べてから決められます

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