解体工事の騒音と振動の規制|届出が要る作業と苦情の出し先

カテゴリ: 制度と税金

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目次
  1. 法律の基準
  2. 対象になる作業
  3. 届出をするのは誰か
  4. 対象外でも条例がある
  5. 施主としてできること
  6. 業者選びで見るところ

解体工事の騒音と振動には法律の規制がありますが、すべての工事が対象になるわけではありません。対象になるのは「特定建設作業」という区分に当たる作業です。

そして一般的な木造住宅の解体では、この区分に当たらないことがよくあります。届出がないからといって、その業者が違法なわけではありません。

対象外でも打つ手はあります。多くの自治体が条例で別に規制しているためです。

法律の基準

騒音規制法と振動規制法で、それぞれ基準が定められています。

項目 騒音 振動
敷地の境界線での上限 85デシベル 75デシベル
届出 作業開始の7日前までに市町村長へ 同じ

作業できる時間も決まっています。区域の区分によって2種類あります。

項目 第1号区域(住居系など) 第2号区域(その他)
作業してはならない時間 午後7時〜翌午前7時 午後10時〜翌午前6時
1日あたりの上限 10時間 14時間
連続して行える日数 6日まで 6日まで
日曜・その他の休日 行わない 行わない

住宅地は第1号区域に指定されていることが多く、その場合は午前7時から午後7時までの間で1日10時間までとなります。

災害や人命にかかわる場合など、例外は定められています。

対象になる作業

特定建設作業は政令で列挙されています。解体工事に関係するものを抜き出すと次のとおりです。

法律 対象になる作業
騒音 くい打機・くい抜機、びょう打機、さく岩機、空気圧縮機(電動機以外で15kW以上)
騒音 バックホウ(80kW以上)、トラクターショベル(70kW以上)、ブルドーザー(40kW以上)
振動 くい打機・くい抜機、鋼球を使って工作物を破壊する作業、舗装版破砕機
振動 ブレーカー(手持式のものを除く)

いずれも、作業を始めた日のうちに終わるものは除かれます。

住宅の解体でよく使われるバックホウは、80キロワット未満のことが多くあります。その場合、この一覧に当てはまらず、法律上の特定建設作業にはなりません。

手で持つタイプのブレーカーも、振動規制法の対象から除かれています。つまり木造住宅の解体では、届出が不要な組み合わせになることが珍しくありません。

現場で該当するかどうかは機種と作業内容によります。気になる場合は、業者に使用する重機の型式を聞いてください。

届出をするのは誰か

ここは間違えやすいところです。

  • 騒音規制法・振動規制法の届出 — 工事を施工する者(解体業者)が行う
  • 建設リサイクル法の届出 — 発注者(施主)が行う

同じ「着工7日前まで」でも、義務を負う人が違います。建設リサイクル法のほうは施主の義務なので、業者に任せきりにせず、届出が出されているかを確認してください。

建設リサイクル法の届出については、解体工事の流れで説明しています。

近隣への配慮を含めて複数社を比べる

対象外でも条例がある

法律の特定建設作業に当たらない工事でも、多くの自治体が独自の条例で規制しています。

条例では、作業時間、日曜・休日の扱い、騒音の大きさなどが定められていることがあります。内容は自治体ごとに違うため、工事のある市区町村の環境担当課に確認してください。

苦情の窓口も同じ課になります。 近隣として困っている場合も、施主として近隣から苦情を受けた場合も、相談先はここです。

施主としてできること

工事が始まる前に手を打てます。

  1. 近隣へ挨拶に回り、工期と作業時間を伝える
  2. 業者に、作業を行う時間帯を書面で決めてもらう
  3. 防音・防じんシートによる養生の方法を確認する
  4. 着工前に、近隣の外壁や塀の写真を撮っておく
  5. 苦情が来たときの連絡先を業者と決めておく

着工前の写真は、あとで差がつくところです。振動で塀にひびが入ったという話が出たとき、工事の前からあったものかどうかを判断する材料になります。

苦情の窓口を決めておくことも大切です。施主に直接電話が来る形にすると、現場の状況が分からないまま板挟みになります。現場責任者の連絡先を近隣に伝えてもらってください。

業者選びで見るところ

騒音と振動への対応は、見積書の金額に表れます。

  • 養生シートの種類(防音タイプか、防じんのみか)
  • 散水の方法(粉じんを抑える手当て)
  • 損害賠償責任保険への加入
  • 近隣挨拶を業者が回るかどうか

安い見積もりでは、養生が簡易なものになっていることがあります。金額だけでなく、養生と近隣対応の項目を揃えて比べてください。見るところは解体業者の選び方にまとめています。

よくある質問

解体工事の音がうるさいのですが、法律違反ですか?

使っている機械が「特定建設作業」に当たるかどうかで変わります。一般的な木造住宅の解体では対象外になることが多く、その場合は法律上の基準が直接は適用されません。ただし自治体の条例で作業時間などが定められていることが多いので、市区町村の環境担当課に相談してください。

日曜日に工事をされました。やめてもらえますか?

特定建設作業であれば、日曜日その他の休日には行わないことが基準に定められています。対象外の工事でも、自治体の条例や近隣への配慮として休むのが通例です。まず解体業者に作業予定を確認し、それでも続くようなら市区町村の環境担当課へ相談してください。

届出は施主がするのですか?

いいえ。騒音規制法と振動規制法の届出は、工事を施工する者が行います。施主が届け出るのは建設リサイクル法のほうで、こちらは対象工事であれば発注者が着工の7日前までに届け出ます。

工事で家が揺れます。損害があったらどうすればよいですか?

工事の前後の状態を記録しておいてください。着工前に外壁や塀の写真を撮っておくと、あとで比較できます。実際に損傷が出た場合は、解体業者が加入している損害賠償責任保険で対応されることがあるため、契約前に保険の加入状況を確認しておいてください。

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