解体工事のマニフェスト|施主が写しで確かめることと届く時期

カテゴリ: 見積書と業者選び

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目次
  1. 排出事業者は施主ではない
  2. 写しの4枚で分かること
  3. 全部そろうのは数か月後
  4. 電子マニフェストの場合
  5. 法律で受け取れるのは完了報告
  6. なぜ確かめるのか

解体工事のマニフェスト(産業廃棄物管理票)は、施主が作ったり交付したりするものではありません。廃棄物処理法21条の3により、解体で出る廃棄物の排出事業者は元請業者だからです。

施主にとっての使い道は、写しを見て廃材が最後まで処分されたかを確かめることです。ただし写しを施主に渡す義務は法律に無いので、契約前にもらえるかを決めておきます。

以下は廃棄物処理法の条文(e-Gov法令検索)と群馬県の制度案内で、確認したのは2026年9月です。

排出事業者は施主ではない

廃棄物処理法21条の3第1項は、建築物を解体する工事を含む建設工事について、注文者から直接工事を請け負った元請業者を「事業者」とすると定めています。

立場 廃棄物処理法での扱い マニフェスト
施主(注文者) 事業者ではない 交付しない
元請業者 排出事業者 交付し、写しを5年間保存する
運搬業者・処分業者 受託者 終了したら写しを元請業者に返す

同法12条の3は、運搬や処分を委託する事業者に、引渡しと同時にマニフェストを交付するよう定めています。運搬と処分が終わるたびに写しが戻り、事業者はそれで終了を確かめます。

写しの4枚で分かること

群馬県の案内によると、積替え保管を経由しない直行用のマニフェストは7枚複写で、排出事業者の手元には次の4枚が残ります。

伝票 いつ戻るか 分かること
A票 交付のとき 何を、どれだけ、誰に預けたか
B2票 運搬の終了後10日以内 処分場まで運ばれたこと
D票 処分の終了後10日以内 中間処理が終わったこと
E票 最終処分の終了後 埋立てなどの最終処分まで終わったこと

見るのは、A票の種類と数量が見積書と大きくずれていないか、処分先がどこか、E票まで戻っているかの3点です。

全部そろうのは数か月後

写しが戻るまでの期限も決まっています。群馬県の案内では、交付から90日以内にB2票とD票、180日以内にE票が戻らない場合、排出事業者は状況を確かめて措置を講じ、知事に報告することになっています。

時期 施主がもらえるもの
工事の完了時 A票(何をどれだけ出したか)
工事から最長3か月 B2票・D票(運搬と処分の終了)
工事から最長6か月 E票(最終処分の終了)

工事の引渡しの日に全部そろうわけではありません。引渡しのときはA票の写しを受け取り、残りはそろった時点で送ってもらう約束にしておくと、催促しやすくなります。

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電子マニフェストの場合

群馬県の案内は、情報処理センターを使う電子マニフェストの場合、書面の伝票は不要としています。

電子マニフェストの業者には、紙の写しの代わりに、処分先の名称と運搬・処分の終了日が分かる画面の印刷を出してもらえるかを聞いてください。形式が違っても、確かめる中身は同じです。

法律で受け取れるのは完了報告

マニフェストの写しは、施主が法律で請求できる書類ではありません。一方で、建設リサイクル法には施主が受け取れる書面が定められています。

書類 根拠 対象
マニフェストの写し 法律上の義務なし(契約で決める) すべての解体
再資源化等の完了報告 建設リサイクル法18条1項 床面積80㎡以上の解体

18条1項は、元請業者が再資源化等を終えたら、発注者に書面で報告するよう定めています。報告を受けた発注者は、適正に行われなかったと認めるときに都道府県知事に申告できます(同条2項)。

契約書に書いておきたいのは次の2つです。

  1. 工事後にマニフェストの写し(E票まで)を施主に渡すこと
  2. 80㎡以上なら、再資源化等の完了報告書を渡すこと

なぜ確かめるのか

解体費用のうち4〜5割は廃棄物の処分費です。正規に処分しなければ、その分だけ見積もりを安く見せられます。

処分先の名前が出ない、写しを出せない理由を説明しない、という業者は、見積もりの安さの理由を疑ってください。契約書に書く事項は解体工事の契約書で、業者選びで確認する書類は解体業者の選び方で説明しています。

よくある質問

マニフェストの写しをもらえないと言われました。問題がありますか?

施主に写しを渡す義務は法律に定められていないので、それだけで違法とは言えません。ただし80㎡以上の解体なら、建設リサイクル法18条により再資源化等の完了を書面で報告してもらえます。写しが出せない理由を聞き、せめて完了報告書と処分先の名称を受け取ってください。

施主が保管しておく必要はありますか?

5年間の保存義務があるのは排出事業者である元請業者で、施主にはありません。ただ、土地を売るときに地中障害物や廃材の処理を聞かれることがあるので、契約書・完了報告書と一緒にとっておくと説明が楽になります。

家財を自分で処分した分もマニフェストに載りますか?

載りません。施主が自分で出した家財は家庭から出る一般廃棄物で、解体業者が工事で出した産業廃棄物とは別の扱いです。業者に家財の処分も任せた場合の扱いは、見積もりのときに確認してください。

電子マニフェストの場合は何をもらえばよいですか?

電子マニフェストでは紙の伝票は使いません。処分先と運搬・処分の終了日が分かる画面の印刷か、それに代わる書面を出してもらえるかを聞いてください。

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