解体工事の契約書|印紙代は200円から、法律が書面を求める20項目

カテゴリ: 見積書と業者選び

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目次
  1. 印紙税の額
  2. 消費税を分けて書くと下がることがある
  3. 電子契約なら印紙は要らない
  4. 建設業法が書面に求める16項目
  5. 80㎡以上の解体では4項目が加わる
  6. 契約書を作らない業者は避ける

解体工事の契約書に貼る印紙は、契約金額が100万円を超え200万円以下なら200円です。木造30坪の解体(90〜150万円が目安)なら、この区分に入ります。

契約書そのものは、建設業法19条が書面にするよう定めています。書く事項は16項目で、床面積80㎡以上の解体では建設リサイクル法がさらに4項目を加えます。

以下は国税庁の案内と、e-Gov法令検索で確認した条文です(2026年9月時点)。

印紙税の額

解体工事の請負契約書は、印紙税の「請負に関する契約書(第2号文書)」に当たります。建設工事の契約書には軽減措置があり、国税庁によると2027年3月31日までに作成するものが対象です。

契約書に書かれた金額 印紙税額(軽減後)
1万円未満 非課税
1万円以上100万円以下 200円(軽減の対象外)
100万円を超え200万円以下 200円
200万円を超え300万円以下 500円
300万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 1万円

戸建ての解体なら、ほとんどが1,000円以下に収まります。アパートやRC造で500万円を超えると5,000円です。

消費税を分けて書くと下がることがある

判定に使う金額は、消費税を含むかどうかで変わります。

国税庁は、消費税の課税事業者が消費税額を区分して書いた場合、または税込と税抜の両方を書いた場合は、消費税額を印紙税の記載金額に含めないとしています。

契約書の書き方 判定に使う金額 印紙税額
請負代金 220万円(消費税込み) 220万円 500円
請負代金 220万円(うち消費税額20万円) 200万円 200円

一方で、消費税の免税事業者が消費税額を分けて書いても、その金額は記載金額に含めるとしています。小規模な業者の場合は、どちらに当たるかで結果が変わります。

電子契約なら印紙は要らない

契約書を紙で作らず、電子契約で結ぶ方法もあります。

国税庁は、電子署名を付けた電磁的記録をメールで送った場合について、「電磁的記録は文書に含まれません」とし、印紙税は課税されないと回答しています(質疑応答事例)。

建設業法19条3項も、相手方の承諾を得れば、書面の交付を電子的な方法で代えられると定めています。紙の契約書と電子契約のどちらでも、法律上の手続きは満たせます。

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建設業法が書面に求める16項目

建設業法19条1項は、建設工事の請負契約の当事者に、次の事項を書面に書き、署名か記名押印をして相互に交付するよう定めています。

番号 項目 解体工事で見るところ
1 工事内容 付帯工事(塀・庭木・浄化槽)まで入っているか
2 請負代金の額 見積書の総額と一致しているか
3 着手と完成の時期 工期
4 施工しない日・時間帯 日曜や作業時間の取り決め
5 前払い・出来高払いの時期と方法 着手金の割合
6 設計変更や中止の申出があった場合の工期・代金・損害の扱い 途中でやめたときの精算
7 天災などによる工期の変更と損害の負担 台風で遅れたときの費用
8 物価の変動による代金の変更 処分費の値上がりの扱い
9 第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担 隣家を傷つけたとき誰が払うか
10 注文者が資材や機械を提供する場合の内容 解体ではほぼ無い
11 完成の検査の時期・方法と引渡しの時期 更地の状態を確認する日
12 完成後の代金の支払時期と方法 残金の支払日
13 契約不適合責任の定め(定める場合) 地中にがれきが残っていたとき
14 遅延利息、違約金その他の損害金 工期遅れの違約金
15 紛争の解決方法 話がつかないときの相談先
16 その他国土交通省令で定める事項

同条2項は、これらを変更するときも書面にするよう定めています。追加工事が出たときに口頭で済ませないのは、このためです。

解体工事で特に確かめたいのは、6番・9番・13番です。途中でやめた場合の精算、隣家の損害、引渡し後に地中から見つかった物の扱いが書かれていないと、問題が起きてから話し合うことになります。

80㎡以上の解体では4項目が加わる

床面積の合計が80㎡以上の建物を解体する場合、建設リサイクル法13条1項が、建設業法の16項目に加えて次の事項を書面にするよう定めています。項目の中身は省令7条にあります。

  1. 分別解体等の方法
  2. 解体工事に要する費用
  3. 再資源化等をするための施設の名称と所在地
  4. 再資源化等に要する費用

3番と4番は、廃材をどこに運び、処分にいくらかかるかです。解体費用の4〜5割は廃棄物の処分費なので、ここが書かれていれば見積もりの妥当性を確かめる材料になります。

自治体の案内では、この書面を契約書に添付する形で作るよう求めている例があります。業者から「別紙」として渡されることもあるので、契約書と一緒に綴じておいてください。

契約書を作らない業者は避ける

見積書と口頭の約束だけで工事を始めようとする業者に当たったときの話です。

建設業法19条の主語は「建設工事の請負契約の当事者」で、許可を持つ業者に限っていません。金額の小さい解体でも、書面にする義務は変わりません。

契約書が無いと、追加請求や工事の中止、隣家とのトラブルが起きたときに、何を約束していたかを示せません。建設業法の手続きを守らない業者に、工事中の判断を任せることにもなります。

契約書のほかに確認する書類は解体業者の選び方で、追加請求を受けたときに契約書のどこを見るかは解体工事で追加請求されたときで説明しています。支払い条件の見方は解体工事の支払い条件にまとめました。

よくある質問

印紙代は施主と業者のどちらが払うのですか?

印紙税法は、契約書を作成した者に納める義務があり、共同で作成した場合は連帯して納めるとしています。契約書を2通作って1通ずつ持つなら、それぞれの1通分をどちらが負担するかを契約で決めておきます。見積書に印紙代が含まれているかも確認してください。

印紙を貼り忘れた契約書は無効になりますか?

印紙の有無は税金の問題で、契約の内容の効力とは別の話です。ただし貼るべき印紙を貼らなかった場合、国税庁は本来の印紙税の3倍の過怠税を徴収するとしています。税務調査の前に自分から申し出れば1.1倍に軽減されます。

注文書と請書のやりとりだけで契約してもよいですか?

建設業法19条が求めているのは、決められた事項を書面に書き、署名か記名押印をして相互に交付することです。書式の名前は問われませんが、注文書と請書に16項目がそろっていないなら足りません。業者の請書にも印紙税がかかる場合があるので、業者に確認してください。

契約書のひな形はどこで手に入りますか?

施主が自分でひな形を用意する必要はありません。業者が出してきた契約書にこの記事の項目がそろっているかを、署名する前に確認してください。足りない項目があれば、追記か別紙で補ってもらいます。

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