住宅地で行う解体工事の作業時間は、7時〜19時が基準です。騒音規制法・振動規制法の特定建設作業に当たる作業は、住宅地などの第1号区域でこの時間に限られ、1日10時間まで、同じ場所で連続6日まで、日曜・休日は作業しません。
東京都では、条例で重機を使って建物を解体・破壊する作業も同じ時間の枠に入れています。法律の対象外でも、自治体の条例で決まっていることがあります。
以下は板橋区が法律と東京都環境確保条例をまとめた資料と、東京都環境局の案内によるもので、確認したのは2026年9月です。東京都以外の地域は、それぞれの都道府県や市の条例で確認してください。
作業時間の決まり
板橋区の資料にある、特定建設作業と指定建設作業に共通の表です。
| 区域 | 作業してよい時間 | 1日の延べ時間 | 同じ場所の連続日数 | 日曜・休日 |
|---|---|---|---|---|
| 第1号区域 | 7時〜19時 | 10時間以内 | 6日以内 | 作業しない |
| 第2号区域 | 6時〜22時 | 14時間以内 | 6日以内 | 作業しない |
第1号区域には、低層・中高層の住居専用地域、住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、用途地域の定めがない地域などが入ります。第2号区域は、工業地域のうち学校・病院から80mより離れた区域です。
実家が住宅地にあるなら、ほとんどの場合は第1号区域の枠で考えれば足ります。
法律の対象と条例の対象
作業時間の決まりには、法律と条例の2つの層があります。
| 層 | 対象になる作業の例 | 根拠 |
|---|---|---|
| 法律(特定建設作業) | 80kW以上のバックホウ、手持式を除くブレーカー、鋼球で壊す作業など | 騒音規制法・振動規制法と政令 |
| 東京都の条例(指定建設作業) | 動力・火薬・鋼球を使って建物を解体・破壊する作業、バックホーなどの掘削機械を使う作業 | 東京都環境確保条例 別表第9 |
板橋区の資料は、重機の先に付けるクラッシャー(ニブラなど)は特定建設作業には当たらないが、動力を使う解体・破壊作業として指定建設作業に当たると注記しています。重機にブレーカーを付けた場合は、特定建設作業に当たります。
一般的な木造住宅の解体で使う重機が法律の特定建設作業に当たらなくても、東京都のように条例で時間の枠をかけている地域があるということです。
例外になる場合
板橋区の資料は、作業時間の決まりが適用されない例として次を挙げています。
- 道路占用許可や道路使用許可の条件で、夜間や休日の作業が指定された場合
- 鉄道の正常な運行を確保するために必要な場合
これらに当たる場合は、届出に許可書などの写しを添えるとされています。
決まりの外で作業されたとき
- 日時と、どんな音や作業だったかを記録する
- 工事看板の現場責任者に連絡する
- 改まらなければ、市区町村の環境担当(公害担当)に相談する
東京都の条例125条は、指定建設作業で周辺の環境が著しく損なわれると認めるとき、作業の方法の改善や作業時間の変更を勧告でき、従わなければ命令できるとしています(板橋区の資料による)。
施主の立場なら、着工前に業者から作業時間と休工日を聞き、近隣への挨拶状にそのまま書いておくと、苦情が出にくくなります。挨拶状の書き方は解体の挨拶の粗品と手紙に、騒音と振動の数値の基準は解体工事の騒音と振動の規制にまとめています。
よくある質問
土曜日も工事をしてよいのですか?
法律と東京都の条例の枠で禁止されているのは日曜・休日の作業で、土曜日は作業できる日に入ります。ただし業者が近隣に土曜休みと伝えている場合もあるので、挨拶状に書く作業日と合わせて業者に確認してください。
朝7時前に重機の音がします。違反ですか?
第1号区域で特定建設作業や東京都の指定建設作業に当たる作業なら、7時より前は作業時間の外です。資材の搬入や準備の音がどの作業に当たるかは状況によるので、まず業者の現場責任者に伝えてください。改まらなければ市区町村の環境担当に相談できます。
工期を短くするために、日曜も作業してもらえますか?
特定建設作業や指定建設作業に当たる作業は、日曜・休日に行わない枠になっています。道路使用許可の条件で夜間や休日が指定された場合などの例外はありますが、施主の都合で日曜に作業させることはできません。工期は日曜を除いて組んでください。
自分の地域が第1号区域かどうかは、どこで分かりますか?
区域は用途地域で決まるので、市区町村の都市計画図や、環境担当・都市計画担当の窓口で確認できます。住居系の用途地域や商業地域、用途地域の定めがない地域は、東京都の例では第1号区域に入っています。
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