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ブロック塀の撤去費用は、1mあたり3,000〜8,000円、面積で見ると1㎡あたり5,000〜10,000円が目安です。
高さ1.2m×長さ10mという住宅でよくある大きさなら、6万〜12万円ほどになります。
この費用には自治体の助成が使えることがあり、しかも助成の計算方式は自治体によって違います。ここを知らずに「上限◯万円」だけで判断すると、実際に戻る額を読み違えます。
なお撤去費用に公的な統計はありません。上記は複数の解体業者・比較サイトが公開している料金を集約した目安で、調査時点は2026年8月です。
撤去費用の目安
| 塀の大きさ | 費用の目安 |
|---|---|
| 高さ0.8m × 長さ5m | 2万〜4万円 |
| 高さ1.2m × 長さ10m | 6万〜12万円 |
| 高さ1.5m × 長さ20m | 15万〜30万円 |
幅が出るのは、次の条件で単価が動くためです。
- 塀の厚さと鉄筋の量(鉄筋が多いほど手間がかかる)
- 基礎の深さ(根入れが深いほど掘削が増える)
- 重機が入れるか(入れない場合は手作業になる)
- 廃材の運搬距離(処分場が遠いと上がる)
- 隣家との距離(近いと養生と手作業の割合が増える)
塀の撤去は廃材が重いのが特徴です。コンクリートの処分費が費用の大きな部分を占めるため、長さより「体積」で金額が決まると考えるほうが実態に近くなります。
自治体の助成には2つの方式がある
2018年の地震でブロック塀が倒壊した事故をきっかけに、多くの自治体が撤去費用の助成を始めました。ただし計算方式が2つに分かれます。
方式1: 費用の何割か(上限つき)
もっとも多いのがこの形です。撤去費用の1/4〜1/2、上限5万〜15万円という自治体が目立ちます。
費用が20万円で「1/2・上限10万円」なら、10万円が助成されます。
方式2: 1mあたりの単価
長さで計算する方式もあります。練馬区の例です(練馬区)。
| 塀の状態 | 助成の限度額 |
|---|---|
| 安全性に疑いのある塀 | 8,000円/m(高さ1m超過分は10cmごとに500円/m加算) |
| 危険性が高い塀 | 17,000円/m(高さ1m超過分は10cmごとに1,000円/m加算) |
この方式では、塀が長いほど助成額が伸びます。高さ1.2m×長さ10mで「危険性が高い」と判定されれば、17,000円+(20cm分=2,000円)=19,000円/m ×10m で19万円が限度額になります。撤去費用が12万円なら全額が収まる計算です。
「上限5万円だから半分も戻らない」と決めつけると、実際の助成額を見誤ります。 建物のある市区町村がどちらの方式かを、先に窓口で確認してください。
申請は契約前に
どちらの方式でも共通するのが申請の時期です。練馬区も「申請は、必ず撤去工事の契約前に行ってください」としています。交付決定の前に着手すると対象外になります。
必要書類は申請書、現況写真、危険度チェックリスト、工事見積書など多岐にわたります。見積書が要るので、業者に見積もりを取ってから申請し、交付決定を待って契約するという順序になります。
自分の塀が危険かどうかを測る
助成の対象になるかどうかは「危険度」で判定されます。その基準は建築基準法で決まっていて、メジャーがあれば自分でもある程度は確かめられます。
国土交通省が公開している点検のチェックポイントの主な項目です(国土交通省)。
| 項目 | 基準 | 自分で測れるか |
|---|---|---|
| 高さ | 2.2m以下 | 測れる |
| 壁の厚さ | 15cm以上(高さ2m以下の塀は10cm以上) | 端部で測れることがある |
| 控え壁 | 長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁がある | 測れる |
| 基礎の根入れ | 30cm以上(塀の高さが1.2m超の場合) | 見えない |
| 傾き・ひび割れ | 傾き、ぐらつき、ひび割れがない | 見て分かる |
| 鉄筋 | 適切に配置されている | 見えない |
とくに見落とされやすいのが控え壁です。3.4mを超えて控え壁のない塀は基準を満たしていません。道路沿いに長く続く塀は、ここで引っかかることがよくあります。
高さと控え壁は誰でも測れます。この2つだけでも確かめておくと、助成の対象になるかの見当がつきます。 見えない項目に不安が残る場合は、自治体の相談窓口か専門業者に見てもらってください。
建物の解体とまとめたほうが安くなる
塀の撤去だけを単独で頼むと、重機の回送費や現場管理費がその工事だけにかかります。
建物の解体を予定しているなら、同じ工事にまとめるほうが合計は下がりやすくなります。足場・養生・重機の手配・廃材の運搬が共通化されるためです。
ただし助成の扱いには注意が必要です。
- ブロック塀の撤去助成と、建物の解体補助金は別の制度であることが多い
- それぞれ申請の窓口も要件も違う
- 両方を使う場合、見積書で塀の撤去費用が分けて書かれている必要がある
見積もりを依頼するときに「ブロック塀の撤去費用を別項目で出してください」と伝えておくと、申請の段階で取り直さずに済みます。
塀が隣地との境にある場合は、所有関係を先に確かめてください。境界線上の塀を単独で壊すと、隣地の所有者との間で問題になります。確認の手順は解体前に確認する境界と越境にまとめています。
撤去したあとの地面の仕上げは解体後の整地費用を見てください。
よくある質問
自分の家の塀が危険かどうか、業者を呼ばずに調べられますか?
メジャーがあればある程度は確かめられます。高さ、控え壁の間隔、傾きやひび割れは自分で測れます。ただし壁の厚さや鉄筋の有無、基礎の根入れは外から見えないため、国土交通省のチェックポイントで該当する項目があった場合は、自治体の相談窓口か専門業者に見てもらってください。
塀の一部だけ撤去することはできますか?
できます。道路に面した部分だけを撤去し、隣地との境界部分は残す、という形が実際によく取られます。ただし助成は道路等に面していることを条件にする自治体が多いので、残す部分が助成の対象外になることがあります。申請前にどこまで撤去するかを決めて、窓口で確認してください。
塀を撤去したあと、代わりに何か立てる必要はありますか?
法律上の義務はありません。境界の目印が必要ならフェンスや生垣に替える方法があり、助成の対象を撤去だけに限る自治体と、フェンスへの建て替えまで含める自治体があります。目隠しが必要かどうかで判断が変わるので、隣家との関係も含めて決めてください。
隣家との境界にある塀は、勝手に撤去できますか?
共有の塀の場合、単独で撤去すると後々の争いになります。まず登記や過去の図面で塀の所有関係を確認し、共有であれば隣家の同意を得てください。費用の分担についても、撤去前に書面で取り決めておくと安全です。
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